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死ぬときに「迷惑をかけたくない」…いくら必要?

ファイナンシャルプランナー 小澤美奈子

介護が必要になったら?

  • (画像はイメージ)
    (画像はイメージ)

 生命保険文化センター(東京)の「生命保険に関する全国実態調査(2015年度)」によると、介護にかかった費用のうち、「一時的な費用の合計」は平均で80万円、月々の支出は平均で7万9000円となっています。

 介護期間は、平均で4年11か月に及んでいます。

 これらの平均値から算出した介護費用は、総額で約550万円となります。

 

 <計算式>
 7.9万円×4年11か月(59か月)+80万円=546.1万円

 

 介護保険制度について、簡単におさらいしておきます。

 介護保険は2000年からはじまった国の制度で、申請の窓口は市町村となっています。65歳以上で介護保険サービスを利用したい場合は、まず自治体への申請が必要です。要介護認定されると介護サービスが利用できるようになります。

 介護に関する相談は、各地の「地域包括支援センター」で受け付けています。

  • 【介護保険利用限度額表】(出典:東京都福祉保健局)
    【介護保険利用限度額表】(出典:東京都福祉保健局)

 介護保険は、7段階ある要介護度に応じて、利用限度額が定められています(【介護保険利用限度額表】参照)。実際に介護事業者へ支払う金額は、利用限度額の範囲内の1割、もしくは2割となり、利用限度額を超えた分や、食費や部屋代などは実費となります。

 負担割合は所得に応じて決められていますが、2018年8月からは新たに3割負担の階層ができる予定です。

毎月出せる金額を見極める

 当然ながら、要介護の状況によって必要となるサービスは異なります。高級な有料老人ホームなどを選べば支出は青天井で増えることになります。

 横浜市の地域包括支援センターの看護師小松田裕子さんは、「自分が出せる金額に限度があるとすれば、毎月の予算を決めて、その範囲内でプランを立てることが現実的です」とアドバイスします。つまり、自分が出せる金額を見極めることが大事だと言えます。

 一方、公的介護には、自己負担を軽減するさまざまな制度が用意されています。

 例えば、居宅サービスや施設サービスを利用して1か月の介護サービス費が上限額を超えた場合は、「高額介護サービス費制度」による払い戻しが受けられます。上限額は現役並みの所得者のいる世帯および住民税が課税されている人がいる世帯で、月4万4400円です。

 また、1年間の医療保険と介護保険の負担が基準額を超えた場合は「高額介護合算療養費制度により、所得区分が一般の世帯であれば、年間の自己負担額は56万円で済みます。

 このほか、施設などに入所している所得が低い人は、「特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)」により、部屋代や食費の負担を軽減できます。

 経済的に苦しい場合は、「生活保護」を受けることで、負担が軽くなるケースもあります。もし、親に年金収入や貯蓄がほとんどない状態で、家族も介護費用を出す余裕がない場合は、生活保護の申請を検討する必要があります。

2018年6月5日07:25 Copyright © The Yomiuri Shimbun