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死ぬときに「迷惑をかけたくない」…いくら必要?

ファイナンシャルプランナー 小澤美奈子

高齢者の5人に1人が認知症に

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 内閣府の高齢社会白書(2017年)によると、2025年には、65歳以上の高齢者のうち5人に1人が認知症になると推計されています。

 認知症になった場合、毎月の医療費は、入院費34万4300円、通院費3万9600円かかるというデータを、慶応大学医学部の研究チームが発表しています。

 公益社団法人「認知症の人と家族の会」の調査では、認知症の介護年数は平均で6~7年となっています。しかし、症状の程度や進行は個人差が大きく、長期に及ぶケースもあります。

 医療費については、75歳以上であれば、後期高齢者医療制度の高額療養費により、自己負担限度額を超えた分の払い戻しが受けられます。また、一定の所得を下回る場合は、限度額適用・標準負担額減額認定証を医療機関の窓口に提示すれば、自己負担限度額が軽減されます。

 認知症により介護保険を利用し、月の自己負担額が一定の上限額を超えれば「高額介護サービス費」、年間で医療費と介護費の自己負担額合計額が高額になれば「高額介護合算療養費制度」による払い戻しが受けられることになります。

認知症で財産管理ができない

 認知症の高齢者は、判断能力が低下することもあり、特に財産管理や契約の締結などの判断が難しくなるおそれがあります。

 その際に助けとなるのが成年後見制度です。利用を考える場合は、地域包括支援センターや社会福祉協議会に相談しましょう。費用は、法定後見の審判の申し立て費用が印紙代や手数料などで約1~2万円、鑑定料が5~10万円ほどかかります。

 さらに成年後見人の活動開始後にも、月額約2~6万円を報酬として支払います。

 また、資産の運用や活用を視野に入れる場合は、成年後見ではなく「民事信託」の方が使い勝手の良いこともあります。

 認知症については、お金の心配はもちろんのこと、本人や家族の精神的な負担も大きくなることが予想されます。市区町村、地域包括支援センター、介護サービス施設などで開かれる「認知症カフェ」などに参加すると良いでしょう。専門家の意見を聞いたり、同じ悩みを持つ家族と情報交換したりすることで、解決の糸口がみつかるかもしれません。

2018年6月5日07:25 Copyright © The Yomiuri Shimbun