社会

職場が生む「ぶら下がりワーママ」とは?

ワークシフト研究所所長 国保祥子

ワーママにのしかかる不安……

  • 写真はイメージです
    写真はイメージです

 育児経験のある人はよく分かると思いますが、子どもは頻繁に体調を崩すため、看病のために自宅にいなければならない日も多いのです。

 在宅勤務など、柔軟な働き方ができる会社も増えてはいますが、多くの場合、仕事に割ける時間は出産前と比べ、どうしても短くなりがちです。子どもが熱を出すなどして、突然の欠勤や早退を迫られることもあります。

 ワーママたち、中でもかつて活躍していた女性たちは、こうした状況の中で働くことに大きな不安を抱き、仕事の責任を背負うことに消極的になっていくのではないでしょうか。責任を果たす自信がないから引き受けようとしないだけで、決して、やる気がないとか、責任から逃れている人だけではないと筆者は考えています。

なぜ「ぶら下がり化」するのか?

 職場の問題も指摘したいと思います。上司の側も、「子育ては大変だろうから」との配慮の一方で、突然の欠勤などで業務に支障が出ることへの不安もあり、どうしてもワーママに割り当てる仕事の量を軽減したり、欠勤しても影響が出にくい仕事を割り振ったりする傾向があるようです。他の部下から不満が出るのも避けたいところです。

 しかし、責任の度合いが軽い仕事では、やりがいを感じにくくなりがちです。特に、仕事の楽しさを知っている女性こそ、「やりがいもなく、評価もされない」という状況に直面した際、自らの働く意欲を「下方修正」して状況に適応しようとしがちです。

 「自分は働けないのではなく、働きたくないんだ」

 そんな風に考え方を変え、自分を納得させようとした結果、本当に「ぶら下がり化」してしまうこともあると筆者は見ています。誰も悪気はないけれど、誰も幸せにならない構造です。

2018年6月7日11:22 Copyright © The Yomiuri Shimbun