戦力分析

【箱根駅伝出場21チーム紹介〈3〉】東洋大、唯一4年の小早川がやるしかない!

  • 箱根へ向け意気込む東洋大の選手たち(カメラ・川口 浩)(スポーツ報知)
    箱根へ向け意気込む東洋大の選手たち(カメラ・川口 浩)(スポーツ報知)
  • 唯一の4年生の小早川(スポーツ報知)
    唯一の4年生の小早川(スポーツ報知)

 ◆東洋大 前回2位(16年連続76回目)=出雲5位、全日本5位=

 4年ぶり5度目の優勝を目指す東洋大が11日、東京・文京区の白山キャンパスで壮行会を開催。登録16選手で唯一の4年生の小早川健は、メンバーから外れた同期の思いを背負って走る。アンカーを務めた前回は両手を合わせながらゴール。優勝した2014年大会で先輩の大津顕杜(26)=現トヨタ自動車九州=が見せた「カッコいいガッツポーズ」で大手町に帰ることを誓った。主催の関東学生陸上競技連盟は10日、出場21チームの登録選手(各チーム16人)を発表した。

 1年6人、2年6人、3年3人。そして4年は1人…。東洋大の登録16人は偏った学年構成になった。「4年生がふがいないと言われている。自分がやるしかない」。唯一の最上級生の小早川は力を込めた。

 前回9区区間賞の野村峻哉を始め、4年生は春以降に故障が頻発して戦線離脱。小早川は11月に入り調子を取り戻したが、他の4年生は苦戦が続いた。メンバー選考の練習では集団から遅れそうになる野村の背中を押しながら走った。「死ぬ気で食らいつけ!」という猛ゲキも及ばず、野村は終盤に脱落。事実上、小早川以外の4年生の落選が決まった。練習後、野村に「ありがとう。箱根ではオレの分も走ってくれ」と言われた。

 前回はアンカーで区間10位。「守りの走りをしてしまった」と悔やむ。2位を死守したものの、両手を合わせて謝るようなポーズでゴールした。「もう一度、アンカーを走ってみたい。大津さんのようなカッコいいガッツポーズでゴールしたい」。東洋大入学が決まっていた高校3年時の14年大会。鉄紺のユニホームがトップでゴールする瞬間を現地で見た。それ以来、4年ぶり5度目となる優勝のゴールテープを切ることが究極の目標だ。

 9月の日本学生対校選手権100メートルで、同級生の桐生祥秀が日本人で初めて10秒の壁を突破する9秒98をマークした。「東洋大陸上部全員にとって大きな励みになった。チーム内では桐生が箱根駅伝で給水をやってくれたら盛り上がる、という話も出ています。まあ、冗談ですが」と笑う。桐生が陸上界の枠を超えた快挙を成し遂げた年度に、陸上部の同期生としてぶざまな走りをするわけにはいかない。(竹内 達朗)

 ◆小早川 健(こばやかわ・たける)1995年8月18日、埼玉・坂戸市生まれ。22歳。小学生から陸上を始める。武蔵越生高3年時に全国高校総体1500メートル、5000メートル出場(ともに予選敗退)。2014年に東洋大経済学部入学。趣味はカフェ巡り。卒業後は実業団のNTNで競技を続ける。理想の選手は大迫傑(ナイキ・オレゴンプロジェクト)。172センチ、54キロ。

 ◆戦力分析

 箱根駅伝では初優勝を飾った2009年以降の9大会で優勝4回、2位4回、3位1回とすべて3位以内と抜群の安定感を誇る。「10年連続は節目となるので、最低でも3位以内。その上で王座奪還を目指します」と酒井俊幸監督(41)。下級生中心となるメンバー構成について「実績より、現状で走れる選手を選んだ。過去にも前年度に優勝メンバーになった主将を外したことがある。私情は入れません」。決然と話す指揮官の姿勢に強さの理由がある。

 全日本1区区間賞の相沢、出雲3区と全日本4区でいずれも2位の山本が1、2区を走ることが濃厚。山本は「他校のエースに勝ちます」と力強い。出雲は4区途中、全日本は6区途中まで優勝争いを演じて見せ場をつくった。箱根路も先手必勝で活路を見いだす。

 ◆東洋大 1927年創部。箱根駅伝は33年に初出場。2009年に初優勝するまで歴代優勝チームで最も長い76年を要した。優勝4回(09、10、12、14年)。出雲駅伝は優勝1回(11年)。全日本大学駅伝は15年に初優勝。タスキの色は鉄紺。長距離部員は選手45人、学生スタッフ5人。主な陸上部OBにタレントの故・植木等さん、柏原竜二さんら。100メートル日本記録(9秒98)保持者の桐生祥秀は在学中。

(スポーツ報知)

2017年12月12日12:00 Copyright © The Yomiuri Shimbun