戦力分析

【箱根駅伝出場21チーム紹介〈5〉】東海大、悲願初Vへカギは阪口

  • 箱根に向け練習する川端(右)ら東海大の選手たち(カメラ・頓所 美代子)(スポーツ報知)
    箱根に向け練習する川端(右)ら東海大の選手たち(カメラ・頓所 美代子)(スポーツ報知)

 ◆東海大 前回10位(5年連続45回目)=出雲優勝、全日本2位=

 悲願の初優勝を狙う東海大が13日、神奈川・平塚市の湘南キャンパスで練習を公開した。1万メートルの平均タイムNO1のチームを率いる両角速監督(51)は「早く来い、来い、箱根駅伝、という心境」と自信を見せた。ライバルの青学大・原晋監督(50)と神奈川大・大後栄治監督(53)が口をそろえて警戒する選手が今季、急成長した阪口竜平(2年)だ。当日変更で補欠に回った前回の悔しさをバネに、1区または2区で激走する準備を整えている。

 箱根駅伝コースの一部、平塚市のキャンパスで東海大ランナーは軽やかな走りを披露した。登録16選手中、上位10人の1万メートル平均タイムは断トツの28分43秒11。トラックのスピードはずぬけている。「順調に仕上がり、ワクワクしている。早く来い、来い、箱根駅伝、という心境です」と両角監督は笑顔で話す。

 開幕戦の出雲駅伝(10月9日)優勝の東海大。前哨戦の全日本大学駅伝(11月5日)を制した神奈川大。そして、前回覇者の青学大。新春の箱根路は3強が優勝争いの中心になる。東海大のライバルとなる両指揮官がそろって“要注意人物”と指名するのが阪口だ。

 「他校の監督さんにとって怖い存在であり続けたい」と阪口は自信の表情で話す。

 学生3大駅伝デビュー戦となった出雲の1区でいきなり区間賞を獲得。「出雲では阪口君にやられた。箱根でも怖い」と青学大の原監督は話す。11月19日にオランダで行われたセブンヒルズロードレース15キロでも好走した。その名の通り7つの丘を越えるタフなコースを43分36秒で走破し、6位。気象条件は異なるものの昨年の同レースで8位になった神奈川大のエース鈴木健吾(4年)の記録を42秒も上回った。「あのコースで43分台は本当に力がある」と大後監督はうなる。

 「黄金世代」と呼ばれる2年生のうちの一人。昨季は苦しい1年を過ごした。前回の箱根は戦略的な理由で当日交代を前提とした上で4区に登録された。「多くの友達から『頑張れよ』と連絡をもらったけど『実は走らない』と言えず、心苦しかった。両親には交代することを伝えていたが、両親のもとにも激励の連絡がたくさん来ていたようで、つらい思いをさせてしまった。今回は家族のためにも箱根駅伝を走りたい」と表情を引き締めて話す。

 5月以降、ほぼ毎日、10種類1000回の腹筋運動を繰り返し「レース後半になっても体がブレなくなった」。初の箱根路に向けて「1区か2区を走りたい」ときっぱり話す。“東海大時代”の到来は、速さと強さを併せ持つ阪口が握っている。(竹内 達朗)

 ◆阪口 竜平(さかぐち・りょうへい)1997年4月5日、京都・八幡市生まれ。20歳。中2から競技を始める。京都・洛南高では3年時に全国高校駅伝で1区5位。2016年、東海大体育学部に入学。尊敬する選手は同郷の先輩の川端千都(4年)。20年東京五輪は3000メートル障害で出場を目指す。将来はマラソン転向も視野に。家族は両親と姉。173センチ、54キロ。

 ◆戦力分析

 東海大の今季のチームテーマは画期的だ。「打倒・青山学院!」。ライバル校の固有名詞を堂々と掲げる姿勢は潔い。そして、それを実現させる力を持っている。

 登録16選手上位10人の1万平均タイムはNO1の28分43秒11。しかも、その中には28分35秒63の小松陽平(2年)、28分36秒15の塩沢稀夕(1年)が含まれていない。「2人はまだ20キロを走れませんから」と両角監督。他校であればエース級の選手がメンバーから外れるほど選手層は厚い。

 山の特殊区間もメドが立っている。5区は、春日、松尾、西田が準備。6区は前回8位の中島が成長した。課題は1、2区のエース区間。川端、阪口、鬼塚ら主力が踏ん張り、流れに乗れば悲願の初Vが見えてくる。

 ◆東海大 1961年創部。箱根駅伝は73年に初出場。総合の最高成績は2位(2004年)。往路優勝1回(05年)。出雲駅伝は優勝4回(05~07、17年)、全日本大学駅伝は03年に初優勝。長距離部員は選手56人、学生スタッフ9人。タスキの色は紺と白。主な陸上部OBは08年北京五輪男子400メートルリレー銅メダルの末続慎吾、塚原直貴、男子1万メートル日本歴代5位の佐藤悠基ら。

(スポーツ報知)

2017年12月14日12:00 Copyright © The Yomiuri Shimbun