戦力分析

【箱根駅伝出場21チーム紹介〈20〉】日体大・室伏、先輩・青学大の下田を「倒したい」

  • 静岡県・小山中出身の日体大3年・室伏穂高は、先輩の青学大・下田との主要区間での対決も視野に駅伝に挑む(スポーツ報知)
    静岡県・小山中出身の日体大3年・室伏穂高は、先輩の青学大・下田との主要区間での対決も視野に駅伝に挑む(スポーツ報知)

 歴代5位となる10度の箱根駅伝総合優勝を誇る日体大は、伝統の「総合力」で「総合3位以内」を目指す。3年連続の出場が濃厚なエース格の室伏穂高(3年)は、青学大の下田裕太(4年)を倒すラストチャンスに燃えている。過去2大会で青学大を優勝に導いてきた静岡・小山町立小山中、加藤学園高の1学年先輩の背中を追いかけ、5大会ぶりの総合Vへの立役者となる。

 誰よりも強い思いを胸に号砲を待っている。室伏は「下田さんは倒したい人。大学ではまだ同じレースを走ったことがなくて箱根がラストチャンス」と力を込める。下田は前々回、前回と2年連続8区区間賞で青学大の箱根3連覇に貢献。「青学大の優勝はうれしさ1割、悔しさ9割。下田さんの活躍はうれしいが、高校時代、僕は先輩に一度も負けていなかったので。自分にもできるんじゃないか、という糧になった」。室伏は今でも食事を共にする故郷の先輩の活躍を励みにしてきた。

 今春、トラックシーズンで屈辱を味わった。6月の全日本大学駅伝予選会で日体大は通過圏内9位と12秒差の10位。「失敗レースをしてしまった自分の責任」と上級生の責任感が芽生えた。大会の1、2週前に絶好調を迎えてしまった調整の失敗を反省。「常に8割を意識して大会当日に合わせるピーキングができるように」と夏合宿後、3週連続で5000メートルのレースに出場し、見事に3週連続で自己ベストを更新した。

 父・利行さんは競歩などで活躍した日体大陸上部のOBだ。室伏は幼い頃から家族で毎年1月2、3日は「5区、6区を同じ場所へ見に行った。険しい顔の選手が駆け抜けて行ったのを覚えている」という。高校1年時には服部翔大(現ホンダ)が日体大を総合Vに導く力走を目撃。「いつか自分も」と心に誓った。今大会は復路の8区か9区での起用が有力だ。「下田さんと同じ区間を走りたい気持ちもあるけど、別でも区間順位で勝負する」。憧れの先輩を超える活躍で、チームを頂点に押し上げる。(榎本 友一)

◆戦力分析

 総合力の高い“ダークホース”だ。1万メートルの平均タイムは今大会3番目。10月の出雲駅伝は6人全員が区間1ケタ順位でつないで東海大、青学大に続く3位。辻野恭哉主将(4年)は「チームが発足した時に箱根駅伝総合3位以内を目標に掲げてきた」と胸を張る。

 過去2大会は往路13位と出遅れたが、6区の秋山清仁(愛知製鋼)が2年連続区間新の快走で2年連続7位でシードを獲得。前回7位のメンバーが7人残る。渡辺正昭駅伝監督(55)は「昨年よりも全体の力は上がっている。往路で3番が見える4~6番にいられたら。復路には7~10区に力ある選手を置ける」と自信を隠さない。1区は出雲と同じく吉田、5区は前回区間9位の辻野が濃厚。成長著しい2年生を往路につぎ込み、復路は実績のある上級生で勝負する。

 ◆室伏 穂高(むろふし・ほたか)1996年8月9日、静岡・小山町生まれ。21歳。小山中1年から陸上を始め、3年時に3000メートルで全国中学予選落ち。加藤学園高では2年で全国高校総体5000メートル予選落ち、全国高校駅伝1区区間24位。同3年で全国高校駅伝1区区間14位。日体大では1年時に箱根5区区間17位、2年時に箱根9区区間14位。159センチ、47キロ。家族は両親と妹2人。2人の妹も加藤学園高陸上部に所属。

 ◆日体大 1926年創部。箱根駅伝は49年に初出場して以来、連続出場中。優勝10回。全日本大学駅伝は優勝11回。出雲駅伝は最高2位(2010年)。学生3大駅伝通算21勝は駒大と並んで最多。長距離部員は選手60人、学生スタッフ7人。タスキの色は白。主な陸上部OBは91年東京世界陸上男子マラソン金の谷口浩美ら。16年リオ五輪男子体操団体金の白井健三は在学中。

(スポーツ報知)

2017年12月29日12:00 Copyright © The Yomiuri Shimbun