18歳選挙権と大学入試改革の接点…中曽根陽子

 皆さん こんにちは

 夏至も過ぎて、いよいよ夏が近づいてきましたね! 受験生の皆は、勉強がんばっていますか? 梅雨の時期は、ジメジメ蒸し暑かったり、肌寒かったりとお天気も変わりやすく、身体の調子を崩しやすい時期です。体調に気をつけて元気に過ごしてくださいね。

AKB総選挙とは違う…来夏240万人に一票の権利

 さて、今日は選挙権についてです。

 つい最近、公職選挙法という法律が改正されて、選挙権が得られる年齢を現在の20歳から18歳以上に引き下げることが、衆・参議院の両本会議で、全会一致で可決・成立しました。来年の夏の参院選から実施される可能性が高く、18歳と19歳のおよそ240万人が新たに有権者に加わることになります。

 ここでいう選挙権というのは、例えばAKB48の総選挙で人気投票をするのとは違って、自分たちの代表として活動する議員を選ぶ権利のこと、そして、選挙を通じて政治に参加するということを意味しています。

 「そんなこと知っているよ!」 そうだよね。ごめんね。

 でも、18歳と言えば、普通は高校3年生。今、小学6年生の皆さんなら、あと6年後には、選挙で投票できるようになります。

皆さんは、このニュースを聞いてどう思いましたか?

世界基準の「18歳投票」…高校生の国会議員も

 「まだ早いんじゃない?」と思う人もいるかもしれませんが、実は、世界的にみると、18歳から投票できるのは、衆議院が公表した資料によると、調査対象の198か国・地域のうち、約9割にのぼる176か国・地域が18歳に選挙権を認めているのです。中にはブラジルやオーストリアのように16歳から認めている国もあります。

 被選挙権(選挙に立候補できる権利)は、日本では衆議院で25歳、参議院は30歳ですが、外国ではやはり18歳から認められている国が多いのです。

 実際、外国では、大学生や高校生が国会議員に当選している例もあります。

 今回の改正は、まずは選挙権について、このような世界の国々の基準と合わせるという他に、日本の若い人たちに、選挙を通じて政治に対してもっと意見を出してほしいという狙いもあります。なぜなら、若い人の投票率は年々低くなっていて、2014年12月の衆院選では、20~24歳の3人に1人も投票していないという結果が出ているからです。

地域や社会、国の未来…いろいろな角度から物事を考える

 私は、これはとても残念だなと思います。

 なぜなら、選挙は、自分たちの代表を選ぶというだけではなく、自分が住む地域や社会、国の未来を考える機会でもあるし、いろいろな角度から物事を考える機会でもあるからです。

 なぜって、選挙でだれかを選ぼうと思ったら、立候補者や政党がどのような考え方をして、何をしようとしているかを知る必要がありますね。

 すると、それがきっかけになって、身の回りにも、課題がたくさんあるということにも気づくことができます。そして、その課題を解決するためにはどうしたらいいかを考えることになるからです。

社会の課題、どう解決?…思考力・判断力・表現力を測る「大学入試」へ

 例えば、皆さんにとって身近なことで言えば、大学入試制度の改革が検討されていて、今の中学1年生から大学入試が変わろうとしているのを知っていますか? 

 それには、実はいろいろな理由があるのですが、その一つに、今、社会の課題を発見して解決する力をもった人が求められているということがあります。

 実は今回の大学入試改革では、制度と共に、試験の内容も思考力・判断力・表現力を測る方向に変わると言われています。つまり、社会の課題を解決していくためには、そうした力が必要だと思われているということかもしれません。

 このように、「入試制度が変わる」という事実を覚えるだけで終わらせずに、なぜ今、変えようとしているのかを考えてみると、そこからいろんなことが見えてきますね。

 選挙権の話から、ずいぶん話が広がってしまいましたが、つまり選挙権を得るということは、思考力や判断力があると認められたということですし、逆に言えば、18歳になれば、そのくらいの思考力や判断力が身についていなければならないということでもありますね。

 皆さんは、お父さんやお母さんと一緒に投票所に行ったことはありますか? 

 学校で選挙について勉強したことがありますか?

 そして、大きくなったら選挙に行きたいと思いますか?

自分の意思表示ができる「一票」…新聞を読んで考える癖をつけよう

 一人に与えられているのは、たった一票ですが、その一票は、自分の意思表示ができる唯一の機会です。「自分が一票を入れたからといって、社会は変わらない」という意見もありますが、一票を入れなかったら、どんなことが決まっても受け身でいるしかありませんね。

 でも、意思を持つというのは、そんなに簡単ではありません。日頃から考える癖をつけることが必要です。

 その一歩として、新聞を読むというのはとてもいい訓練になります。

 ぜひ、身の回りの出来事に興味を持って新聞を読んだり、テレビのニュースを見たりして、自分だったらどう思うかと考えてみてください。そして、できればお(うち)の人に、自分が考えたことをお話ししてみてくださいね。

 それが、受験勉強にもつながるはずですよ!

▽これまでのアドバイス

エジソン流、1万回の挑戦

イチローに学ぶ、夢を叶えるコツ

入試は「二つの壁」に挑む大事な体験

勉強時々休んで、頭のアイドリング

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2学期好発進、カギは「眠り」にあり

夏休みの勉強は「プチ冒険」しよう

何のために勉強するんだろう

入試問題は学校からのメッセージ

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プロフィル
中曽根陽子  (なかそね・ようこ
 教育ジャーナリスト。情報発信ネットワーク ワイワイネットhttp://www.waiwainet.com/ 代表。教育雑誌から経済誌、新聞連載など幅広く執筆。学校現場や塾の取材、著名人インタビュー、書籍の執筆などを手がける傍ら、海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱。講演活動やワークショップも行っている。子育て中の女性の視点を活かした切り口に定評があり、近著には『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(晶文社)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)、などがある。新しい時代を創る子ども達が思う存分その力を発揮するために、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てたいと、2014年「Mother Quest ~learning platform for creative mothers」を立ち上げた。