自由研究のテーマ探す「頭の地図」…中曽根陽子

何を基準に…切り口の発見、けっこう難しい

 みなさん こんにちは

 毎日暑いですね! 気温が体温を上回る日が普通になっていますが、元気に過ごしていますか? 受験生にとって、夏休みはかきいれ時!ということで、夏期講習に通っているお友達もいることでしょうね。頑張ってね。

 でも、せっかくの夏休みですから、普段とはちょっと違うこともしてみたいよね。ということで、今回は、夏休みの自由研究にも役立つ情報をお届けします。

 みなさんは夏休みの自由研究のテーマはもう決めましたか? テーマを決める時に、何を基準に決めていますか? 手っ取り早く片付けられそうなものという考え方もあるかもしれません。あるいは、お母さんが決めているなんていう人もいるのかな…。

 でもせっかくの機会です。好きなこと、興味のあること、気になるニュースなどから考えて、ぜひ自分がおもしろいと思えるテーマを見つけてほしいと思います。

 でも、実はテーマを見つけるって、けっこう難しいですよね。今、私も自分の研究を少しだけ始めているのですが、大きすぎるテーマだとどこから手をつければ良いのか分からなくなるし、小さすぎても深まらないし、どこかで誰かがすでに研究して結論が出ているものだと研究する意味がないし…。切り口を見つけるのに悪戦苦闘しています。

興味があること…言葉やイメージを書き出す「マインドマップ」

 でも、皆さんが今、取り組む自由研究は、まずは自分に興味があることから考えていくのがいいと思います。

 例えばサッカーが好きだとして、サッカーの選手に興味があるのか、チームに興味があるのか、サッカーがうまくなりたいのか、切り口はいろいろあると思います。まず、それを書き出してみるといいですね。

 その時に役に立つのがマインドマップというものです。

 これは、発想を整理するために広く使われている手法で、まず中心に主題をおいて、そこから関連するキーワードやイメージを放射状に広げていく方法を取ります。言葉だけでなく絵を使ってもよく、色分けしながらどんどん枝を伸ばしていくことで、頭の中にあるものを形にすることができます。

 やり方は、お父さんやお母さんに聞いてみても良いし、本もたくさん出ています。ネットで検索すると書き方も出てくるので、参考にしてみてくださいね。

言葉どうしがつながる…広がる発想、思わぬ発見

  • あるお友達が作ったマインドマップ。真ん中にまず自分の名前を書いて、自分が好きなことなどをつないで書き込んだ ※マップの一部を加工しています
    あるお友達が作ったマインドマップ。真ん中にまず自分の名前を書いて、自分が好きなことなどをつないで書き込んだ ※マップの一部を加工しています

 ここで、あるお友達が自由研究の作り方というワークショップに参加して作ったマインドマップを紹介します。そのお友達は、真ん中にまず自分の名前を書いたそうです。そして、自分が好きなことや興味のあることを名前の周りに書いていきました。

 次に、それぞれの単語から思いつく言葉(キーワード)を放射状に書いていき、またそこから関連する言葉を線でつないで書き込んでいきます。

 このお友達は、好きなこととして、テレビ・マンガ・サッカー・アイス・遊び・プールを挙げて、そこから思いつく言葉をどんどん書き、最終的にマップの中に出てきた、サッカーのリフティングを自由研究のテーマにしようと決めたそうです。

 書いていくうちに、近くにある言葉どうしがつながることもあるでしょう。

 こうしてマップを書いていくうちに、自分が何に興味があるのかがはっきりしてくると思いますし、思いがけない発見もあるかもしれません。

 取り組みたいテーマが決まったら、それをまた真ん中に置いて、マインドマップを書いていくと、何について調べればいいのかが分かってくるし、それ自体が自由研究の目次にもなります。

 また、ポストイットなどを使い、「なぜ」をキーワードにしてさらに細かく分解していってもいいですね。

 ここは、お友達やお母さん・お父さんと一緒に話をしながら書いてみるのも発想が広がっていいですね。

仮説を立てて確かめよう…「研究は失敗を楽しめないとできない」

 もちろん、テーマを決めて調べたことをまとめるだけでも自由研究になるのですが、せっかくの研究です。ぜひ自分なりの仮説を立てて、それを確かめてみた結果をまとめるということに挑戦してみましょう。

 (1)なぜ、そのテーマについて研究してみたいと思ったのか。できれば背景も含めて紹介する

 (2)自分なりの予想(「仮説」といいます)を立てる

 (3)どうやって調べるのか、方法を考える

 (4)実際に調べる

 (5)調べた結果と、そこから分かったことをまとめる

 先ほどのお友達の場合は、リフティングを74回続けてできるのですが、これを夏休み中に100回続けてできるようにしたいと思っていたということで、「リフティングはどんな練習をしたらうまくなるか」ということについて研究をすると決めました。そして、

 (1)誰かと一緒に練習する

 (2)ワンバウンドでリフティングをする

 (3)じょうずな人に聞いた方法を試す

 (4)足のどこに当たっているかを見る

という4つの方法を仮説として立てて、毎日、検証してみているそうです。

 夏休みが終わる頃には、100回できるようになっているといいですね。

 もちろん研究をしていると、最初に立てた仮説通りに証明できるとは限りません。その時には、「○○をしてみたが、思ったような結果は得られなかった」という結論でもいいのです。うまくいかなかったことは、次に新しいやり方を試すために必要なプロセスだからです。

 iPS細胞の研究でノーベル賞を取った山中伸弥博士も、「研究は失敗を楽しめないとできない」とおっしゃっています。

 そのためにも、研究のテーマは、自分が興味のあることから探すことが大切です。好きなこと、興味のあることなら、失敗しても続けられるでしょう。

 皆さんもぜひこの夏休みに、挑戦してみてくださいね。

 お父さん・お母さんはぜひお子さんの興味のあることを否定せず、お子さんが発想を広げられるようなサポートをしてあげてください。

研究のネタ探しにオススメ…「日本科学未来館」

 最後に、研究のネタ探しにおススメのスポットを紹介します。

 東京・お台場にある「日本科学未来館」。

 地球・宇宙・環境・未来などをテーマに、最新の科学技術を分かりやすく展示している施設です。

 夏休みに時間があったら、ぜひ訪れてみてください。

 遠くて行かれないという人も、公式ウェブサイトで公開しているイベントや、世界の国々や地域に関するさまざまなデータを生かしてオリジナルの世界地図が作れる「ジオ・パレット」というサービスもあります。

 人口分布などの基本データのほか、CO排出量などの科学データからGDPなどの統計データまで、数百種類のデータを重ねてみたら、思いがけない発見があるかもしれませんし、そこから研究のテーマが見つかるかもしれませんよ。

 夏休みといっても、みんないろいろ忙しいかもしれませんが、ぜひ時間を見つけて、いつもはできない体験をしてみてくださいね!

 その時間がきっと、みんなの体と頭と心を育ててくれるはずです!

▽これまでのアドバイス

 ・18歳選挙権と大学入試改革の接点

 ・エジソン流、1万回の挑戦

 ・イチローに学ぶ、夢を叶えるコツ

 ・入試は「二つの壁」に挑む大事な体験

 ・勉強時々休んで、頭のアイドリング

 ・ノーベル賞受賞者の声を励みに

 ・2学期好発進、カギは「眠り」にあり

 ・夏休みの勉強は「プチ冒険」しよう

 ・何のために勉強するんだろう

 ・入試問題は学校からのメッセージ

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プロフィル
中曽根陽子  (なかそね・ようこ
 教育ジャーナリスト。情報発信ネットワーク ワイワイネットhttp://www.waiwainet.com/ 代表。教育雑誌から経済誌、新聞連載など幅広く執筆。学校現場や塾の取材、著名人インタビュー、書籍の執筆などを手がける傍ら、海外の教育視察も行い、偏差値主義の教育からクリエイティブな力を育てる探求型の学びへのシフトを提唱。講演活動やワークショップも行っている。子育て中の女性の視点を活かした切り口に定評があり、近著には『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(晶文社)、『子どもがバケる学校を探せ! 中学校選びの新基準』(ダイヤモンド社)、などがある。新しい時代を創る子ども達が思う存分その力を発揮するために、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てたいと、2014年「Mother Quest ~learning platform for creative mothers」を立ち上げた。