ツリーの先 おすそわけ

 この季節きせつにぴったりの絵本をご紹介しょうかいしましょう。

 1さつ目は、「おおきいツリーちいさいツリー」(ロバート・バリー作、光吉夏弥みつよしなつややく、大日本図書)です。もうすぐクリスマス。ウィロビーさんのお屋敷やしきにもツリーが到着とうちゃく。でも、大きすぎて広間の天井てんじょうにつかえてしまいました。そこで、執事しつじがツリーの先をおのでぱっさり。切られた先っぽは、小間使いのアデレードにおくられました。でもかざろうとすると先が曲がってしまったので、はさみでちょきん。切った先は、くずかごに入れててます。そこへ庭師にわしのチムが通りかかり……。

 このあとも、切られたツリーの先が、くま、きつね、うさぎ、ねずみとわたっていき、それぞれの家族が大喜おおよろこび。コミカルな絵がしあわせな気分をり上げます。さて、一番小さな先が行きついた場所は? 最後さいごのページで分かりますよ。

 2冊目の「トムテ」(ヴィクトール・リードベリ作、ハラルド・ウィーベリ絵、山内清子やまのうちきよこ・訳、偕成社かいせいしゃ)に登場するトムテとは、スウェーデンの農家や仕事場に住む小人のことです。何百年も生きつづけ、家の人々ひとびとを見守ります。人々はクリスマス・イブに、トムテのためにおかゆをうつわに入れて出しておくそうです。この絵本は、スウェーデンの詩人が1882年に発表し今でもあいされている詩に、同国の画家が1960年に絵をえたものです。

 しんしんとひえる冬の夜。森にかこまれた農場でねむらないのは、小人のトムテただひとり……。しずかに読んでいくと、美しい雪の情景じょうけいが広がり、命の不思議ふしぎや時の流れにおもいをさそわれます。(東京子ども図書館理事長・張替恵子はりかえけいこ