<東京>シカ革、イノシシ革で靴や小物

 害獣として駆除される野生のシカとイノシシ。最近は食肉として注目されているが、革をファッションに活用する試みも広がっている。


  • 「シカ革の靴は軽くて柔らかいので歩きやすい」と話す尾又さん。秋冬の新作も完成した
    「シカ革の靴は軽くて柔らかいので歩きやすい」と話す尾又さん。秋冬の新作も完成した

 今月中旬、東京・渋谷で開かれるファッションとデザインの合同展示会「ルームス」にも、それらの革を使った靴や小物が登場する予定だ。

 参加ブランドの一つ、甲府市の「フォレゼント」は、シカ革の靴や財布などを手がける。同市でジビエ料理店を営む尾又慶寛よしひろさん(30)が昨年9月に設立した。山梨県や静岡県の食肉加工施設から仕入れた皮を専門業者になめしてもらい、バッグメーカーなどで委託製造している。

 「肉の利用が進む一方で、皮は廃棄物として処分されてしまう。もったいないと思っていた」と話す。軽くて水に強いのがシカ革の特徴。きめ細かなシワの模様は、製品にぬくもりと柔らかみを加える。インターネットで受注販売しており、「軽さや手触りの良さに驚く人は多い」という。今後、小売店でも販売する。

 金沢市の「ハタブネコンサルティング」は、丈夫なイノシシの革を用いた革小物を「STY(ステイ)」のブランド名で販売する。大学で石川県内のイノシシの被害を調べていた吉村祐紀さん(27)らが2015年、インターネットのクラウドファンディングで資金を集めて起業した。昨秋、同市に販売店も開いた。

 製品開発には、アクセサリーやバッグの製作で定評のあるデザイナーらが参画。中でも、札入れは使い込んでも型崩れしにくいと好評だそうだ。

 2人が目指すのは、高価な特産品ではなく、格好良さや使いやすさに裏打ちされた普段使いの品だ。「製品の良さがきちんと認識され市場が広がれば、加工施設の運営が安定する。結果的に害獣の適正管理や地域おこしにつながる可能性がある」と、尾又さんは話していた。(生活部 斎藤圭史)

2017年02月12日 05時20分 Copyright © The Yomiuri Shimbun