小町拝見

お金 悩ましきもの…ジェーン・スー

 先日「今夜もカネで解決だ」というタイトルの本を出版しました。働く女、もちろん家事育児も含めて、の疲れを癒やす、リラクゼーション産業についてのあれこれを書きました。品に欠けたタイトルで申し訳ない。


 本を発売して間もなく、「世の中はお金!金!金!」というトピを発言小町で発見しました。トピ主さんは、不注意から洗濯機の中を油性インクでひどく汚してしまったそうで、四苦八苦で汚れを落としながら「無尽蔵にお金があったら、新しい洗濯機が買えるのに」と思ったそうです。最近の家電、目が飛び出るほど高額なものもありますものね。お気持ちお察し致します。

 さて、世の中にはお金で解決できるものとできないものがあると言われます。

 一般的に、愛情や健康はお金では買えないとされ、お金で買えないものの方が貴重と言われます。

 お金は、欲しいものを手に入れる時に便利な道具だと思います。太古の昔は物々交換だったのですから、手間を考えると、お金というシステムのある現代に生まれて良かったと、心から思います。

 あればあるだけ幸せになれると思われがちなお金ですが、本質的には単なるツールであるがゆえ、健康や愛情以外にも、「相手が売ることを承諾しないもの」も買えません。

 例えば飛行機が落下している時、大金持ちが「全財産をあげるから、そのパラシュートを譲って」と言っても譲る人はいないでしょう。

 そのことに気付いた時、私は唖然あぜんとしました。なるほど、どうりで愛情が金で買えないわけです。

 ないと不便極まりないことは間違いありませんが、あっても万能ではない。

 お金。なんと悩ましい存在でしょう。

ジェーン・スー
 作詞家、コラムニスト。1973年、東京都生まれの日本人。「未婚のプロ」を名乗り、「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎)などの著書が話題に。