小町拝見

良好な関係築く家事分担…香山リカ

 パートナーとの家事分担は、女性にとって大きな問題だ。ともに働き、家計は半々なのに、家事のほとんどを自分が担当している、という女性のトピ「同棲どうせい生活の分担について」には、「改善は無理」「結婚をやめた方がよい」といった厳しめのコメントが多かった。


 たしかに、「家事は本来は女性がするもの。でも例外的に自分も手伝う」という意識の男性を本質的に変えるのはむずかしい。「疲れている私が必死に家事をしている姿を見たら、いつかは気づいて手を差しのべてくれるはず」などと期待していても、それは裏切られるだけだろう。

 だとしたら、最初の段階で「私が仕事から帰ってから寝るまでの時間にできるのは、これとこれ」と説明し、「あなたが帰宅してからの時間でこれをやって」と約束してもらう“ビジネス路線”のほうがまだストレスが少ない気がする。

 診察室でいろいろなカップルの話を聴いていると、女性が不満を述べたりキレたりしてもあまり効果はないように思う。それよりも「家事を分担して早く終わらせれば、ゆっくりお茶する時間ができるね」と言って実際にそうすることで、ふたりの関係を良いものにするための家事分担だと相手に伝えたい。

 男性だって、パートナーが笑顔でいてくれ、自分とすごす時間を楽しみにしてくれているほうが、自尊心も満たされるのだ。不機嫌な彼女から義務として家事をやらされているとなれば、仕方なしにやったとしても、ふたりの関係はハッピーにはならない。

 あともうひとつ、男性が少しでも家事をやったら「すごい!」と過剰にほめるのは、女性にとって大きなストレスになる。ふつうに「助かった、ありがとう」くらいにしておきたい。

香山リカ(かやま・りか)
 精神科医、立教大教授。1960年、北海道生まれ。豊富な臨床経験を生かし、新聞やラジオ、テレビなど様々なメディアで、現代人の心の問題について発言している。