小町拝見

嫌なこと考え続ける習性…ジェーン・スー

 大学時代、心理学で「青い白熊の会」についての授業を受けました。青い白熊の会は「青い白熊について絶対に考えない人」だけが入会できます。


 青い白熊なんて、この瞬間まで想像したこともなかったでしょう。しかし、いまあなたの頭のなかには、間違いなく一匹の青い白熊がいる。つまり、この会の存在を知った時点で、入会が可能な人はゼロです。

 人は、考えてはいけないと思うものほど考え続ける習性を持っています。俗に白熊効果と呼ばれるものです。「嫌いな人のことが頭から離れない」のトピ主さんも同じ状態でしょう。

 トピ主さんは自分を持て余していらっしゃいました。楽しいことばかり考えていたいのに、まだ起こってもいないことを不安に思い、こんなこと言われたらどうしよう、どう言い返してやろう、などと思ってしまうのだそうです。お気持ち、非常によくわかります。

 辛辣しんらつなレスが付くことも多い小町のトピですが、今回は賛同者が多かったのが印象的でした。誰もが、苦い記憶の飴玉あめだまめまわすのをやめられないのです。

 嫌いな人のことを考えるのは、好きな人のことを考えるより熱量を要します。頭がカッカしてくるし、傷付いた気持ちを思い出すと心臓がどきどきしてきます。レスの中に「もっとひどいことが起これば忘れられる」というものがありました。一理あると思います。

 私は考えるのをやめられない時はとことんまで考え抜きます。経験上、ネガティブ思考にもいつか飽きがくるのを知っているので。

 それでもダメな時は、寝るに限ります。ネガティブ思考は疲労と親和性が高いので、嫌なことばかり考えてしまう時は、体が休みたがっているサインだと思うようにしています。

ジェーン・スー
 作詞家、コラムニスト。1973年、東京都生まれの日本人。「未婚のプロ」を名乗り、「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎)などの著書が話題に。