小町拝見

人付き合いに正解なし…香山リカ

 人間関係の距離の取り方。これは“永遠の課題”だ。関係性によっても、個人によっても、地域や時代によっても距離の取り方には違いがあり、正しい答えはないからだ。


 「ママ友から家に遊びに来て、と誘われたけど、そういう密なつき合いはしたくない」というトピが立ち、「断るべき」から「行ってあげたら」まで、さまざまなコメントが寄せられた。

 この場合の原則はたったひとつ、「相手は自分じゃない」ということだろう。「私は忙しいからママ友とはあっさりつき合いたいのに、どうしてわかってくれないの?」と思っても、それは無理なのだ。だとしたら、あとは「がまんしてつき合う」か、「ごめんなさい」と断るか、ふたつにひとつということになる。

 その場合、どちらが自分にとってストレスが少ないかを考えよう。もし、「断るとそのあといつまでも引きずりそう」と思うなら、ちょっとがまんして出かけてもいいかもしれない。その場合は、「ウチは片づいてないからよべないんだけどね」と言っておけばよい。

 でも、「よく知らないママ友の家に上がるなんて、とんでもない!」と思うなら、そこはちょっと勇気を出して「おしゃべりは公園でしましょうね」と伝えたほうがよいだろう。「あなたとつき合いたくない」ではなくて、「家ではない場所でこれからもよろしく」という部分を強めに言えば、相手も拒絶されたとは感じないはずだ。

 かく言う私も、友だちを自宅によぶことは絶対しない。よばれるのも苦手だが、「断りにくい」というときは出かけて行く。でも行けば行ったでそれなりに楽しかったり、発見もあったりする。まさに案ずるよりも産むがやすし、これが人間関係かも、とつけ加えておきたい。

香山リカ(かやま・りか)
 精神科医、立教大教授。1960年、北海道生まれ。豊富な臨床経験を生かし、新聞やラジオ、テレビなど様々なメディアで、現代人の心の問題について発言している。