小町拝見

そこそこできることも大事…ジェーン・スー

 「読書する子がそんなにエライですか?」というトピを見つけました。トピ主の息子さんは小学4年生。読書家の学友がおり、たくさん本を読んだことを学校から表彰されたそうです。


 一方、トピ主の息子さんは、運動も勉強もそこそこできるけれど、学校から表彰されたことはないそうです。「何だか不公平だなあと思います」の一文が心に残りました。

 確かに、そこそこできることへの表彰は聞いたことがなく、大抵は突出した能力や技術が表彰されるものと相場が決まっています。ただ、大人になったら、まんべんなくそこそこできることが求められる場面が多いのが、皮肉な現実です。

 突出していても、たとえば給食を毎度おかわりするというようなケースでは表彰されません。成績が良い、読書数が多い、足が速い、遅刻・欠席がない、などが小学生の表彰に求められる資質でしょう。

 表彰とは、善行や功労や成果を褒めたたえる行為です。読書量が多いことも、足が速いことも、勉強ができることも、無遅刻・無欠席も、善行や功労ではなく成果。成果にも努力は必要ですが、他者への奉仕が必要な善行や功労とはひと味違うと思うのです。

 善行も功労も成果も十把一絡じっぱひとからげにされる表彰は、子どもに複雑な心境を生むこともあるでしょう。特定のジャンルに限れば、好きでやっていることや、生まれ持った資質も表彰の対象になる。まさに運任せ。

 突出した成果は敬意を表するに値しますが、まんべんなく、そこそこできる子どもが健全に自尊心を育てられる方法、どこかにないでしょうか。

 突出した能力が乏しいと不必要なまでに悩む大人が多い今日この頃、これはこれで不健全な気がします。

ジェーン・スー
 作詞家、コラムニスト。1973年、東京都生まれの日本人。「未婚のプロ」を名乗り、「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎)などの著書が話題に。