私の「発言」

(2)何歳まで「女子」と言っていいものか…ジェーン・スーさん

  • 「“女子魂”は見せる場所と相手をわきまえて」と話すジェーン・スーさん
    「“女子魂”は見せる場所と相手をわきまえて」と話すジェーン・スーさん

 ここ数年、年齢にかかわらず女性のことを「女子」と呼ぶようになりました。

 ランチをしようと店を検索すると「女子会プラン」なるものもよく見かけます。何歳だって、女同士のランチならオーダーできるプラン……こうした風潮に対し、違和感を感じる向きもあるようです。「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」(幻冬舎)著者のジェーン・スーさんに、意見を伺いました。

加齢すれども女子魂は…

 ――掲示板「発言小町」でも、「『女子』って何歳まで?」「男子女子って何歳まで?(駄)」など、このテーマはたびたび議論されています。

 ジェーン・スーさん)女性の側でも、「いつまでも女子女子言ってるんじゃない!」と思う人はいますよね。私が実際そうだったんですけど、「女子ってバカっぽい。若くもかわいくもない私には不似合いだし」と思っていました。20代後半くらいかな。

 ――「『女子』って何歳まで?」のトピ主「女子は恥かしい」さんは30歳だそうですが、「正直『40歳前後』の女性まで女子と名乗っているのに少し抵抗感を抱いていました」とつづっています。このトピでは、名乗っていいのは「未成年まで」「学生まで」という意見が多かったようですが、「死ぬまで心は女子で乙女!」という回答もありました。

 ジェーン)本にも書きましたが、私の答えは「女は生涯、いち女子」です。かわいいものを見てテンションが上がったり、ワイワイととりとめもない話を続けたり、そんな“女子魂”は一生なくならないだろうなと思えてきたからです。実年齢や肉体とは一切関係なし! 「板垣死すとも自由は死せず。加齢すれども女子魂は死せず」です。

 ――かわいいものやピンク色など、いわゆる「女子っぽい」ものが似合わないというコンプレックスを抱いているのも自分。やっぱり「女子魂」を持ってしまっているのも自分。そう認められるとラクになれそうです。

 ジェーン)そうですね。親しい友人とか恋人とかには、隠しているつもりでも自分の「女子魂」はお見通しなんですよね。自分のなかの女子を認め、大事な人に隠さずにいられることで、心が本当にラクになりました。

 ただし、そこそこ年がいって、働いて稼ぐようになった女たちが声高に「女子」と自称すると、ずうずうしいとか、ちょっと不快に感じることもあります。「女子魂」は入れ墨のようなものだと思っています。見せる相手や場をわきまえないと、相手が引いてしまう。

 ――女子っぽいものに限らず、コンプレックスとうまく付き合っていくコツはありますか。

 ジェーン)社会的に「かわいい」とされるものや、「かくあるべし」というイメージからは、なかなか解放されないですね。自分のコンプレックスの構造がある程度理解できた今でも、苦しめられることはあります。「私は私」と言いながら、やっぱり簡単には割り切れないときもあるので……。

 でも、例えば体形にコンプレックスを感じたとして、「それが私のすべてなのか?」と考えるようにはしています。そうすると自分自身を客観的に見ることができるし、感情も整理できるかな。

「おばさん」「ババア」は蔑称か?

 ――「女子」問題の次は「おばさん」問題に移りたいのですが、本の中で、「おばさん」とgoogleで検索したら、発言小町のトピ「どういう人をおばさんだと感じますか?」が出てきたとありました。

 ジェーン)そうなんです。レスには、ずうずうしい、うわさ話が好き、所帯じみている、ぜい肉が付いている、無駄の多い言動……などなど、ネガティブな言葉が並んでいて、これではやすやすと「おばさん」と名乗れないではないかと思いました。もともと「おばさん」は中年以降の女性に対し、親しみを込めて呼ぶ言葉だったそうですし、定義を何とか変えていくことはできないものでしょうかね。

  • 「BBAの意味合いが変わることもないわけじゃない。私たちがイカスBBAを目指すのと同時に、男性もどんどん女社会に入ってこないと、『カッコイイ男』の定義だって変わっているかもしれません」
    「BBAの意味合いが変わることもないわけじゃない。私たちがイカスBBAを目指すのと同時に、男性もどんどん女社会に入ってこないと、『カッコイイ男』の定義だって変わっているかもしれません」

 ――本では、おばさんの次に「ババア」についても触れられていましたが、こちらはちょっと新しいイメージが生まれつつあるんでしょうか。

 ジェーン)「BBA」と書くババアね。年齢的には間違いなく中年より上。でもキレイでかわいらしい魅力的な女性たちを、愛情を込めてBBAと呼ぶのをネットなどで見かけます。私は、BBA同士で気軽に誇らしく、BBAという言葉を使える日を夢見ています。若い女の子たちがちょっとまねしたくなるようなファッションにメイク、そんなイカスBBAに私はなりたい。画像をSNS(ソーシャル・ネットワーキング・システム)で共有できるインスタグラムとかに、「#iksBBA(イカスババア)」というハッシュタグができたりしたら楽しいじゃないですか。

 ――40代になって、「これはこれで楽しい毎日」と書いていらっしゃいましたが、それはジェーンさんが良い友達に恵まれているからかなと感じました。

 ジェーン)それはありますね! 小、中、高、大学、それに勤めた後も……出会った時期はさまざまですが、本当に女友達には恵まれてる。甘えからか、私がつい失礼なことを言い過ぎて、けんかしてしまうということもあるけど、また食事してバカみたいに笑って。一生付き合っていきたい友達を見つけることは、本当に大事。私はもう、どちらかが先に死んだら骨を拾う友達も決めてますよ。何ものにも代え難い財産です。間違いない。

プロフィル

ジェーン・スー 1973年、東京都生まれ。作詞家やコラムニストとしての活動のほか、TBSラジオ「週末お悩み解消系ラジオ ジェーン・スー相談は踊る」(毎週土曜午後7時)などラジオ番組のパーソナリティーとしても活躍している。ツイッターのアカウントは@janesu112。