スクールデイズ

読書好き 集団行動は苦手…三浦瑠麗さん

国際政治学者

  • 三浦瑠麗さん(繁田統央撮影)
    三浦瑠麗さん(繁田統央撮影)

 両親は学生結婚をし、私は、父が大学院在学中に生まれました。読書好きの子どもで、小中学校時代は、児童文学全集を片っ端から読み、若草物語などの少女もの、円地文子や幸田あやら女流作家、源氏物語や蜻蛉かげろう日記など日本の古典文学にも親しみました。

 当時住んでいた神奈川県平塚市の図書館に週に1回行き、妹や弟に読み聞かせる絵本を含め20冊以上借りました。母から「瑠麗ちゃんは、本をむさぼって食べちゃうのね」と言われるほどでした。

 でも、友達はあまりできず、中学校ではちょっと浮いた存在でした。他の生徒と共通の話題がなく、気がつくと一人で弁当を食べていました。「仲間に入れて」と言えず、「頼む必要があるのか」とか、「一人で食べてはいけないのか」と考えていましたね。そんな問いを持つのは本を読んでいたから。頭の中で色々な思いを巡らせ、外から見たら変な人だったと思います。

 県立湘南高校時代も、集団行動は苦手でした。授業に出ないことが多く、鎌倉や江の島に行ってぼやっとしていました。でも、先生たちは優しく、古文の先生は「あと何回休んだら赤点だからな」と教えてくれました。

 数学や化学が得意だったので東大理科1類に進学し、農学部で環境工学を専攻しました。転機が訪れたのは4年生のとき。1歳年上の男性と結婚しました。同じ時期にイラク戦争が起き、外務省に勤めていた夫の影響もあって、国際情勢に関心が向きました。

 私は留年し、教養学部のゼミで国際問題を勉強した後、大学院で国際政治を専攻して博士号を取得しました。

 文系に転身して役立ったのは、幼い頃からの読書体験。政治学は人間理解が不可欠ですが、小説は人間への洞察力、想像力を高めてくれます。政治の事例研究で何が本質なのかを見抜くことは、小説の読み方と似ているのです。

 今5歳になる娘にも同じ読書体験をさせたいと思い、ミヒャエル・エンデの「モモ」などの読み聞かせをしています。学校の登下校で、季節の変化を感じ取り空想するような子どもになってほしいですね。(聞き手・五十嵐英樹)

プロフィル
みうら・るり
 1980年、神奈川県生まれ。東大政策ビジョン研究センター講師。著書に「『トランプ時代』の新世界秩序」など。テレビの討論番組などにも出演。今年1月から本紙読書委員を務める。

 (2017年3月20日付読売新聞朝刊掲載)