スクールデイズ

「変わりたい」という思い…段文凝さん

聞き手・伊藤史彦

タレント

  • 段文凝さん(中村光一撮影)
    段文凝さん(中村光一撮影)

 父が漢方医で、日本の病院で働いた経験もあったため、中国・天津の実家にはよく日本の友人が父を訪ねてきました。日本は身近な存在で、小さい頃から「ドラえもん」などのアニメも大好き。だから、「外の世界に飛び出したい」と天津のテレビ局のアナウンサーを辞めて海外留学を決意した時も、自然と日本を選んでいました。

 幼い頃はとても内気な子でした。背が低かったので、小学校の教室の席はいつも最前列か2列目。先生から指されても、顔を真っ赤にしてボソボソと答えるのがやっとでした。理科の授業が大好きで、実験では「何が起きるのだろう」とワクワクしていました。内気な一方、私には未知への強い好奇心があるのです。

 高校時代は勉強が最優先で、学校では恋愛が禁止されていました。中国では毎年6月、日本の大学入試センター試験に相当する試験が行われます。大学受験競争はとても厳しく、3年生になると、夜9時過ぎまで学校に残って自習をしていました。部活動やおしゃれをする余裕はありません。日本に来ると、こちらの高校生は部活に打ち込んでいるし、かわいいセーラー服も着ている。「うらやましい!」と思いましたね。

 大学では動物を研究しようと考えていましたが、仲の良い友達がテレビ局のディレクターを目指しており、「自分の弱みを克服できるかも」と思い、進路を変更しました。

 中国では多くの大学生が寮で共同生活をします。「声がうるさい」「ここに物を置かないで」など、けんかになるけど仲直りも早い。ぶつかり合いながら、互いを認め合うことを学びました。映像制作などの課題に一緒に取り組んだルームメートたちとは、今も中国のSNS「微信(ウィーチャット)」などで連絡を取り合っています。

 「変わりたい」という思いが、学生時代から私の原動力でした。私の知っている中国と日本の姿を伝え、ささやかですが、両国の懸け橋になりたいと思っています。

(聞き手・伊藤史彦)

プロフィル
だん・ぶんぎょう
 中国・天津市出身。天津師範大学を卒業後、天津テレビ局に所属。2009年に来日し、早稲田大大学院修了。11年より6年間出演したNHK・Eテレの「テレビで中国語」で注目を集める。今年9月、早大で公演の舞台「3年前の君へ」でヒロインを演じる。

(2017年8月17日付読売新聞朝刊掲載)