“モノサシ”でマニフェスト判断、投票を…18歳選挙権教材ツール

  • まず「消去法」などの“モノサシ”を決める(3月31日、同校東京キャンパスで教員や生徒が参加して行われた模擬選挙研修会で。以下同じ)
    まず「消去法」などの“モノサシ”を決める(3月31日、同校東京キャンパスで教員や生徒が参加して行われた模擬選挙研修会で。以下同じ)

 今夏の「18歳選挙権」実施に向けて模擬選挙を授業に取り入れた教材ツールを、広域通信制高校「クラーク記念国際高校」(本部・神戸市中央区)と早稲田大学マニフェスト研究所(東京)が共同開発した。高校生が選挙公報や新聞などに示されたマニフェスト(政権公約)を資料に話し合い、「1点重視」「人物重視」などの“モノサシ”(投票基準)を参考に投票先を決める手順をまとめている。

 今年6月19日施行の改正公職選挙法で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられ、夏の参議院選挙から一部高校生も含めた約240万人が新たに投票に参加できる。これに合わせ、全国の高校でも模擬選挙や学習会などが開催されている。今回、クラーク記念国際高校ではそうした活動を支援するため、元三重県知事の北川正恭氏(現研究所顧問)がマニフェストの普及を目指し、2004年に設立した早稲田大学マニフェスト研究所と共に「クラーク・マニ研モデル」を作成した。

  • 実際の選挙公報コピーや新聞を読んで検討する
    実際の選挙公報コピーや新聞を読んで検討する

 このツールは、プレゼンテーションデータ、映像、テキストマニュアルの3種に分かれており、18歳選挙権の意義を考え、調べ学習の課題を与える「事前授業」、実際にマニフェストを比べて投票する「模擬選挙」、投票結果を確認する「事後授業」の3コマ授業構成となっている。

 特徴は、<1>実際の選挙が教材<2>政党や候補者のマニフェストをモノサシ(投票基準)で読み解く<3>政治的中立性・公平性に配慮したグループワーク中心の授業という。

  • そして投票だ
    そして投票だ

 同校ではこれまで各キャンパスで2014年の衆議院選、15年の埼玉県知事選、大阪市長選、16年の京都市長選などを題材にした模擬選挙を実施してきており、その経験の蓄積を教材に反映した。同校さいたまキャンパス(さいたま市)で最初に“モノサシ”を使った模擬選挙授業を始めた中川貴代志教諭は「選挙制度を知り、政治に参加する準備ができても、実際にどのように政策を比較検討すればいいのかわからない不安が生徒にある。そこで“モノサシ”を取り入れた」と話す。「クラーク・マニ研モデル」では、あらかじめ提示した「人物重視」「総合判断「1点重視」「消去法」「身近さ」などの“モノサシ”からひとつ選び、そのメリット・デメリットを話し合った上で、マニフェストを参考に投票先(候補者、政党)を決める。他人の意見を聞き、自分との違いを知ることなども教育効果を上げるという。

 今回のツールは同校のホームページで4月20日ごろから、無料で一般公開される。同校は今後、全国30の直営キャンパスで同モデルを使った授業を展開するが、「他校や地域でも活用してもらえれば」としている。同校のサイトはこちら

 (メディア局編集部 京極理恵)