格好付けていたあの頃

  • イラスト・池田亮
    イラスト・池田亮

 「ご自身の学生時代と比べ、今の学生の気質はどこが変わったと思いますか」。このような質問を生協の店員からされるたび、自分も年をとったと実感します。

 今の学生は、サークルや日々の生活など、損得勘定なしに付き合える学内の友人関係を大事にしており、基本的には私の学生時代とそれほど変わっていません。

 中には「いやいや、スマホばかり見て何を考えているのかわからないよ」と嘆く方がいるかもしれません。その人が私と同世代なら、我々も、かつて同じように「新人類」と呼ばれ、それに幾ばくかの反感を抱いていたことを思い出していただきたいです。

 ただ、1点挙げるとすれば、主に男子が、格好付けるような背伸びをしなくなったように感じます。昔の若者は、味の違いが分かっているかのごとく、酒やたばこをたしなみ、見栄えの良い車を中古で手に入れ、はやりの服をアイテムとして所有しました。そんな、どこか無理をしている感が、現代の彼らにはありません。

 かつては不活発で暗いイメージがあり、自ら言い出しづらかったアニメや鉄道の趣味が、個性を際立たせる強みとして認知されています。今の学生は、肩ひじ張らない自然体で生きているのです。(白石昌則・東洋大生協白山店長)