外国人 新卒採用で存在感

 大学卒業予定者の就職活動で、企業が外国人留学生らを社員として採用する動きが活発になっている。訪日外国人の増加に対応した観光ビジネスなどで人材の需要があるほか、学生優位の「売り手市場」による人手不足も背景にあるようだ。国も就職支援に乗り出した。(山田睦子)

在留資格「留学」を「就労」へ増加

 昨年11月中旬、東京都内で外国人留学生を対象にした合同企業説明会が開かれた。ホテル、小売り、製造など39社がブースを設け、留学生約800人が詰めかけた。主催した人材派遣会社パソナによると、参加企業は前年の3倍で、訪日外国人向けの事業を拡大する会社のほか、新卒者の確保に苦労する会社も参加した。

 留学生の関心も高く、マレーシア出身で筑波大4年の女子学生(24)は「技術力に定評があり研修も充実した日本企業に入りたい」と語った。

 法務省によると、日本で就職するため在留資格を留学から就労目的に変更した外国人は、2016年が前年より3778人多い1万9435人で4年連続で過去最多に。中国、ベトナム、韓国人などアジア勢が大半を占める。

 就職情報会社ディスコの調査でも大卒以上の外国人を18年度に採用予定の企業は57.8%で、17年度より22.4ポイント増える見込み。外国人採用のメリットは、「日本人社員への刺激」「異文化・多様性への理解の向上」などが多いが、「言葉の壁による意思疎通のトラブル」「受け入れ部署の負担増」などの課題もある。

優秀な人材の「卵」 政府も支援

 外国人留学生らは高度な専門知識や技術を持つ優秀な人材の「卵」と位置付けられ、政府も支援を始めた。大卒の外国人の国内での就職率を、現状の3割から20年度に5割にする目標を掲げ、文部科学省は17年度から国内の12大学を拠点に留学生の就職促進事業を開始。仕事で使える日本語や日本独自の企業文化、就活の進め方などを教えている。

 外国人の採用活動は海外の国や地域でも行われている。人材コンサルティング会社ネオキャリアは、台湾とベトナム、韓国で日本企業と現地の大学生らの面接会を実施し、この1年で300社が1200人を採用。台湾の大学で日本語を学んだ簡宇彦かんうげんさん(24)は、現地の面接会で携帯電話の販売店向け人材派遣会社「グッド・クルー」(東京)に採用された。

 「日本で働くほうが自分が成長できると思った」と簡さん。新卒の外国人らは今後、日本人の就活で強力なライバルになる可能性もある。