AI面接 大学も対策

 企業の採用活動でAI(人工知能)の利用が拡大している。担当者の負担を減らすため書類選考などにAIが使われているほか、精度の高さから面接にAIを導入する企業もある。まだ抵抗を感じる学生が多いが、大学もAIを活用した就職支援を始めている。(新美舞、佐藤寛之)

進路決定や資質の向上に活用

  • 音声と文字で質問するスマホとやりとりする学生(東京都八王子市の帝京大で)
    音声と文字で質問するスマホとやりとりする学生(東京都八王子市の帝京大で)

 「ゼミやサークルなどで苦労したことはありますか?」「あります」「どんな苦労ですか?」

 スマートフォンから女性の音声で質問が発せられ、同じ質問が画面にも表示された。帝京大八王子キャンパスキャリアサポートセンターは2月、AIを使った面接の体験会を開いた。学生1人に60~90分かけて様々な質問をし、バイタリティーや柔軟性など11の資質を測る。質問は学生の回答によって変わり、面接中は動画で表情なども撮影される。

 面接内容は、システム開発元のタレントアンドアセスメント(東京)の社員が分析し、診断結果を後日、大学に伝える仕組みだ。

 同センターは就職支援の一環でこの取り組みを始め、3月は3年生約30人が参加。医療技術学部3年の風見修平さん(21)は「相手の表情が見えず不安になったが、統一した基準で判断されるなら広まってほしい」と話した。田口仁センター長(50)は「学生の進路決定や資質の向上に役立てば」と期待していた。

抵抗感じる学生 7割近く

 AIは、エントリーシートの判定など、選考初期に活用する企業が増えているが、面接の一部に導入する例もある。鶏卵大手のアキタ(広島県福山市)は今年、応募者全員にAIを使った面接を実施する。1次選考だけの利用だが、「昨年、試行的に導入したところ当社が求める粘り強い人材が集まった。スマホでの面接は自宅でも受けられ、応募者増も望まれる」としている。

 就職情報会社ディスコが今月、大学3年生ら1258人に、AIを使った面接による合否判定を「良いと思うか」と聞いたところ、7割近くが「思わない」「全く思わない」と回答した。ただし、自分に合う企業を勧めてくれることにAIが使われることは7割近くが「とても良い」「良い」と答えた。

 ディスコの武井房子上席研究員は「AIを活用する企業は今後も増えるだろうが、学生はまだ懐疑的。一方で、自分に合った会社選びには苦労している。大学での活用が進めば抵抗感も薄らぐのでは」と話す。

◆AI面接で評価される項目
(開発元の説明を基に作成)
・バイタリティー(粘り強さや打たれ強さ)
・イニシアチブ(前向きで自発的に行動)
・対人影響力(周囲に働きかけ、まとめる)
・柔軟性(状況を理解し適応する)
・感受性(敏感性、共感性、気遣い)
・自主独立性(自分の信念で職務を遂行)
・計画力(効果的に計画・組織立てる)
 ※ほかに動画撮影でインパクト、理解力、表現力、ストレス耐性が評価される