気象・災害まとめ読み

デング熱 今年も流行?…感染予防はしっかりと

  • 代々木公園で蚊を採取するわなを回収する担当者(7月9日、東京都渋谷区で)
    代々木公園で蚊を採取するわなを回収する担当者(7月9日、東京都渋谷区で)

 昨夏、約70年ぶりに国内での感染が確認されたデング熱。「猛威」を防ごうと、東京都がウイルスを媒介する「ヒトスジシマカ」を減らすあの手この手の作戦を続けています。果たして対策は成功するのでしょうか――。

 発症すると、発熱や頭痛、関節痛、発疹などの症状が表れ、まれに下血などの出血症状を起こし重症化すると言います。今年もウイルスを媒介する蚊の活動期に入りました。流行が懸念される中、感染拡大を防ぐため、どんな対策が必要なのでしょうか?

  • デング熱のウイルスを媒介するヒトスジシマカ(国立感染症研究所提供)
    デング熱のウイルスを媒介するヒトスジシマカ(国立感染症研究所提供)

 デング熱 デングウイルスが原因の感染症。蚊が感染者の血を吸って体内でウイルスを増やし、別の人の血を吸う時にウイルスをうつす。感染しても半数以上は無症状だが、発症すると、発熱や頭痛、関節痛、発疹などの症状が表れる。まれに下血などの出血症状を起こし重症化する。国立感染症研究所(感染研)のまとめによると、患者数は年々増加しており、昨年は国内感染者162人を含めて計341人に上った。
 今年は、今月17日までの感染者が83人と、統計を取り始めた1999年以降最多のペースで増えている。背景には、昨夏の国内流行を受けて、医療機関側でもデング熱を疑う意識が高まったことがあるとみられる。国内での感染者は現時点では確認されておらず、マレーシアやタイ、インドネシアなどの渡航先で感染したと考えられている。

約70年ぶりに国内感染

 約70年ぶりの国内感染がわかったのは、昨年8月26日。感染が疑われる期間内に海外渡航歴のない埼玉県内の女子学生(当時18歳)が東京・代々木公園で蚊に刺され、デング熱に感染していたことが判明し、その後、代々木公園周辺を訪れた人を中心に、相次いで感染者が確認された。感染研ウイルス第1部室長の高崎智彦さんは「規模の違いはあっても、国内のどの地域でもデング熱の流行は起こりえる」と警告する。
 デングウイルスには1~4型の四つの型があり、昨年の国内感染者は全て1型だった。デング熱は、2度目に感染したウイルスが異なる型だと重症化しやすい。帰国後に発症した患者から1型だけでなく2型の感染が確認されている。今シーズンに2型が流行した際、過去に感染した人の重症化も懸念される。

個人でもできる対策とは?

 個人ができる対策の一番は、蚊の集まりやすい、自宅周辺のやぶや雑草を刈り取り、成虫を減らすことだ。ヒトスジシマカの活動が始まる5月中旬から8月初めまでは蚊が繁殖して増える時期にあたる。この間、週1回は雨水がたまりがちな古タイヤや植木鉢の受け皿などを清掃し、幼虫が育ちやすい環境を作らないことが重要だ。
 また、蚊に刺されないように、屋外では長袖や長ズボンを着用し、できる限り皮膚の露出を避けよう。服の上から血を吸われることもあるため、衣類に虫よけ薬を使うことも有効だ。
 高崎さんは「行政任せではなく、個人のレベルで、積極的に蚊の防除対策を行うことも大切」と訴える。

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