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五木寛之さんがモハメド・アリとの3時間を寄稿

  • モハメド・アリとプロレスラー・アントニオ猪木の「格闘技世界一決定戦」で、猪木のローキックをかわすアリ(日本武道館で1976年6月26日撮影)
    モハメド・アリとプロレスラー・アントニオ猪木の「格闘技世界一決定戦」で、猪木のローキックをかわすアリ(日本武道館で1976年6月26日撮影)
  • 作家の五木寛之さん
    作家の五木寛之さん

 作家の五木寛之さんが、6月3日に亡くなったプロボクシングの元ヘビー級世界王者、モハメド・アリ氏と対談した思い出を8日発売の『中央公論』にエッセーとして寄稿している。

 3時間近くにわたった対談では、アリ氏が幼少期の思い出から黒人差別の問題までを率直に語ったという。過激なリップサービスで「ほら吹き」と呼ばれたアリ氏の真摯(しんし)でデリケートな素顔が浮かび上がる内容となっている。

 タイトルは、「モハメド・アリの片影」。対談は1972年春頃に、いまはなき麻布のレストラン「白亜館」で行われた。五木さんのストレートな質問に引き込まれたアリ氏が、約束の1時間を大幅に超えて対談を続けた様子が生き生きと(つづ)られている。

 アリ氏は、「カシアス・クレイ」という「白人的」な名前から、「モハメド・アリ」に改名した理由や「ブラックメール」(脅迫状)のように、英単語の中に、白が善で黒が悪という概念が埋め込まれていることなどを問題だと語ったという。

 イスラム教に改宗した氏がどんな思いでボクシングを続けていたのかや、ベトナム戦争で兵役を拒否したためにチャンピオン資格を剥奪された時の気持ちなども語っている。

 五木さんが大学時代のボクシング体験を語った時には、「あなたがボクシングを?」などと皮肉るような発言をしたが、五木さんがむっとした口調で問いただすと、両手を合わせて非礼をわびたという。