トピックス社会

お役所も注目! 「珍樹アニマル」の世界へようこそ

メディア局編集部
  • チンパンジー(写真はすべて小山さん提供)
    チンパンジー(写真はすべて小山さん提供)

 「ほら、あれゾウさんじゃない?」「あっ!シカがこっちを見ているよ」――。

 動物園かと思えばそうではなく、近所の公園や街路などで子どもたちがこんな声を上げ、熱心に写真を撮っている光景があちらこちらで見られるという。視線の先をたどれば、鳥にサル、さらにはテレビで人気のお笑いタレントから職場のコワーイ上司まで見えてくるかも? ごく身近にある木々の枝や幹などに“生息”する「珍樹アニマル」の世界だ。

 人間社会に似て、木々たちも、まっすぐ太陽に向かって成長できる優等生ばかりではない。好き勝手な方向に枝を伸ばしたり、思わぬ異物を飲み込んで大きなこぶを作ってしまったり、突然ばっさり切られたり……。

 東京・日野市のフリー編集者小山直彦さん(51)は10年前、そんな木々が織り成す表情の芸術にほれ込んで「珍樹アニマル」と名付け、仕事の傍らその捜索と撮影を繰り返してきた。

  • キリン
    キリン
  • シカ
    シカ

  • カタツムリ
    カタツムリ

 山奥や里山の森林だけでなく、まちなかの街路樹などからも発見された珍樹アニマルは、これまでにざっと1000頭。それらの写真を自称「珍樹アニマルハンター」としてネット上などで紹介し、同時に市民対象の勉強会や撮影会も都内で開いてきた。

 ここに「地域活性化や観光振興のきっかけになる」と目を付けたのが、首都圏の自治体。昨春から動物園や公園、まちなかで動物や生き物に似た樹木を探すイベント「珍樹アニマル探偵団」が、横浜市、東京・台東区、埼玉県秩父市、千葉市、東京・豊島区などで開かれてきた。現在も東京・八王子市が夏休みに合わせて9月末までの3か月間、城跡や公園、駅前商店街など7か所を会場に実施中だ。まちなかで商店街と協力して実施すると店舗の集客にもつながり、好評という。

  • ゾウ
    ゾウ

 イベントで夢中になるのは子どもたちだけでなく、熱心な捜索者には中高年の男性の姿も目立つとか。「私も40歳代で会社勤めをやめてフリーになり、気持ちや時間に余裕ができたころ、いつもの風景の中にアニマルが浮かび上がってきたんです。アニマル捜索の“適齢期”かもしれません」と小山さん。発見した珍樹に名前をつけたり、その後も気になって“再会”しに出かけたり、樹木への愛着が湧いてくる人も多いらしい。

 さらに、経験を重ねるほど発見しやすい樹木の種類や場所も見分けられるようになり、かつ、木々の成長とともにアニマルたちが姿や表情を変えることもあって魅力は尽きないというから、息の長い趣味にすることもできる。

 アニマルを発見するコツは、いつもとはちょっと違った視点で木を眺め、想像力をフル稼働させる――。ちょっとした頭の体操にもなりそうだ。

  • こんな変わった珍樹も。手首(左)と洋式トイレ(右)
    こんな変わった珍樹も。手首(左)と洋式トイレ(右)

【あわせて読みたい】
秋田の人食いグマ、主犯は凶悪「スーパーK」だ!
補助金漬け「植物工場」の不毛~どうなる?日本の次世代農業
生きがいも収入も すごすぎる「IT高齢者」たち
ブタとオオカミの立場逆転!売り切れ続出の絵本とは
「普及しないで!」 真夏の“罪作り”な新風物詩