老後破産

娘のカード浪費が止まらない…「老後破産」の現実(12)

ファイナンシャルプランナー 柳澤美由紀
 離婚して実家に戻った娘が買い物依存でクレジットカードによる浪費を重ね、家計は数年のうちに破綻確実……。娘の目を覚ましたのは、リアルな現状と将来を数字で示した家計表だった――。「 『貯金2700万円』でも危ない… 」「 3500万円が底をつく『死角』… 」「 3000万円も不足? インフレの恐怖… 」「 退職金が半分に!?… 」「 『40代で子宝』夫婦の誤算… 」「 独立したら85歳で1600万円借金?!… 」「 子どもがニート? ひきこもり?… 」「 退職金でも住宅ローンが返せない?!… 」「 月32万円の年金で不足? 迫られたホーム転居… 」「 退職金食いつぶす“保険貧乏”… 」「 年の差婚で『教育費』が重荷に… 」と続く「『老後破産』の現実」シリーズ。柳澤さんが解説する。

83歳夫の介護と38歳バツイチ娘

 ある日、ファイナンシャルプランナーの筆者のもとに76歳の女性が訪れ、浮かない顔をして、こう言った。

 「5年前から、認知症の夫(83歳)の在宅介護をしてきました。ところが、一昨日、病院で私が狭心症と診断され、近日中に入院し手術をすることになりました。入院中、夫の介護は同居の娘(38歳、無職)が行う予定です。ところが、娘は自立心と経済観念に乏しく、家事は私任せ。クレジットカードで無計画に買い物を続ける生活ぶりで、このまま夫の介護と家計を任せるのは不安です。私が退院後にこれまでと同じように夫の介護を続けられるかどうかもわかりませんし、この機会に、娘が無駄遣いしなくなるような対策を教えていただきたいのですが」

 詳しいお話をお聞きすると、以下の情報がわかった。

 ・妻(本人)は長らく夫と2人暮らしで、夫は5年前、認知症になった。
 ・嫁いだ娘は3年前に離婚、以後、実家に戻り、夫婦(娘の両親)と一緒に暮らしている。
 ・夫婦は共に元地方公務員で、年金は夫260万円/年、妻240万円/年。
 ・娘は働いていない(無収入)。
 ・娘は夫名義のクレジットカードの家族カードを持っており、離婚を機に使い方が荒くなっている。カード利用額現在、平均20万円/月。
 ・妻は狭心症の手術で、少なくとも1か月間は入院することが決まっている。

 「離婚のショックから立ち直るまでと思い、夫婦の暮らしを切り詰めてでも、娘のクレジットカードの支払いを支えてきたのがいけなかったのでしょうか。カード会社からの請求金額は日に日に大きくなりました。多いときには月30万円近い金額を請求されることもあり、困っています」

 年金収入は夫婦2人合わせて年500万円。住民税等・社会保険料66万円を差し引いた実質的な手取り収入は年434万円である。毎月36万円使ってもぎりぎり赤字にはならない額だ。夫婦2人で暮らしていたときは、お金の心配などしたことがなかった。しかし、離婚して戻ってきた娘の浪費により、年146万円もの赤字になっている。