神戸で製造、日台で活躍のSL2台「姉妹提携」

  • 台湾で観光列車として活躍しているSL(JR西日本提供)
    台湾で観光列車として活躍しているSL(JR西日本提供)

 戦前に神戸市の工場で製造され、戦中、戦後は日本と台湾に別れて走り続けた2台の蒸気機関車(SL)について、JR西日本と台湾鉄路管理局が「姉妹協定」を締結した。

 2台は現在、JR山口線と台湾東部で、観光列車として活躍している。互いに戦争を乗り越えて走り続ける“姉妹”に、日台の交流を牽引けんいんする新たな役割が期待されている。

 JR西日本などによると、2台はともに「C57形」で、神戸市にあった川崎車輛しゃりょう(現・川崎重工業)の工場で製造された。

 山口のSLは「C57形1号機」で1937年に作られた。37~39年、水戸機関区常磐線(東京―宮城)で普通列車として活躍。その後は東北線(東京―青森)、羽越線(新潟―秋田)などを走り、72年に引退した。79年からは、山口線の小郡(現・新山口)―津和野で、観光列車「SLやまぐち号」として活躍。例年3~11月、休日や祝日を中心に走っている。

 台湾のSLの製造年は不明だが、42年から台湾総督府の管理下に置かれ、「西部幹線」で「特快車」(特急列車)として走り始めた。戦後は普通列車となり、84年に引退。2014年、台湾東部の花蓮―台東で観光列車「仲夏宝島号」として復活し、毎年7、8月に運行されているという。

 協定は、JRグループが今年9~12月、山口県などと連携して展開する「幕末維新やまぐちデスティネーションキャンペーン」に合わせ、JR西日本が台湾側に働きかけた。

 締結式は先月24日、台湾で行われ、同社や現地の関係者ら約100人が出席。「相互の鉄道観光の継続的な発展を図る」とされた協定書に署名した。

 同社は今年、SLやまぐち号の運行を12月まで延長し、台湾でPRする予定。同社の担当者は「『姉妹』として絆を深め、日台の観光を盛り上げたい」と話している。(江口武志)

  • 煙を上げながら走る「SLやまぐち号」
    煙を上げながら走る「SLやまぐち号」
  • 台湾で開かれた締結式(JR西日本提供)
    台湾で開かれた締結式(JR西日本提供)