被災のマッコウクジラ標本、6年4か月ぶり公開

  • マッコウクジラの骨格標本を見ようと、多くの人が訪れた(15日、山田町で)
    マッコウクジラの骨格標本を見ようと、多くの人が訪れた(15日、山田町で)

 東日本大震災で被災し、休館していた岩手県山田町船越の町立「鯨と海の科学館」が15日、6年4か月ぶりに一般公開を再開した。

 世界最大級とされ、震災の津波で泥まみれになった体長17・6メートルのマッコウクジラの骨格標本もお披露目され、約800人が来館した。

 再開にあたり、同館が工夫したのは展示方法だ。震災後に館長に就任した湊敏さん(67)が木材、針金、紙粘土などで人形を手作りし、それぞれアワビ漁の道具や、鯨にもりを打ち込む「捕鯨砲」、六分儀などを持たせて使い方を説明している。イカやタコの模型も作り、漁の際に針へどのようにかかり、引き上げられるかも示した。

 15日は資料の修復に携わった関係者も招待された。

 東京海洋大の加藤秀弘教授(65)は鯨の専門家で、1992年の開館前から関わり、震災後も骨格標本の復活に向け指導した。加藤教授は「カビが発生しないための温度管理が大変だった」と振り返り、「(この大きさの骨格標本は)二度と手に入らないと思う」と価値を強調した。

 町立山田北小6年の児童(11)は「鯨の標本が想像以上に大きかった」と驚いていた。湊館長は「言葉で表せないうれしさを感じている。震災を生き抜いたマッコウクジラの骨格標本を山田のシンボルとしていきたい」と意気込む。