被害者住所を被告に開示、脅迫状届く…国を提訴

 千葉地検の支部が、器物損壊事件の被害者女性の意向に反し、住所などの個人情報を被告の男側に開示した結果、服役した男から脅迫するような文面の手紙が届いたとして、女性が国と男の元弁護人に慰謝料など計約6300万円の支払いを求めてさいたま地裁に提訴していたことが分かった。

 提訴は昨年6月2日付。

 訴状などによると、女性は2009年5月、千葉県内で器物損壊の被害に遭った。男は12年3月に逮捕され、13年4月に懲役2年4月の実刑判決を受けたほか、別の事件でも有罪判決を受け、服役している。

 女性らは、事情聴取や公判の際、担当する副検事や男の元弁護人に個人情報を明かさないよう要望していたが、15年4月以降、服役中の男から女性宅へ複数回、手紙が届いた。オウム真理教幹部による弁護士一家殺害事件を引き合いに脅迫するような文面のほか、「個人情報が私の手に渡ったことは、千葉地方検察庁と弁護士を恨むことですね」と書かれていたという。

 裁判は昨年8月に第1回口頭弁論が行われ、来月21日に第4回が行われる予定。国や元弁護人側の準備書面などによると、器物損壊事件の公判中、副検事が元弁護人に刑事記録を開示した際、女性の住所などが消えていなかったという。国側は、個人情報を伏せてほしいという女性側の要望はあったが「合意はなかった」と主張している。

 読売新聞の取材に千葉地検は「係争中のためコメントできない」、元弁護人は「裁判中なので取材には応じられない」としている。

2018年1月10日07:37 Copyright © The Yomiuri Shimbun