子ども治療、ネット寄付に活路…資金難の病院増

 病気の子どもの治療の充実へ、インターネット上で寄付を募る「クラウドファンディング」を活用する病院が増えている。

 病院の小児科の多くは不採算で、資金不足を市民の善意に求める動きが広がりそうだ。

 国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)は昨年夏、子どもの血液がん治療に欠かせない無菌室2床の新設費を募ったところ、1861人から約3100万円が寄せられた。無菌室は今夏の完成を目指す。

 同センターの松本公一・小児がんセンター長(55)は「老朽化でシャワーが壊れた無菌室もあり、子どもは洗面器で体を洗っている状態。市民の善意に頼るのが良いと考えた」と話す。

 こうした動きのきっかけは、昨年2月、長野県立こども病院がドクターカーの購入費をクラウドファンディングで募ったこと。約2500万円が集まり、今春にも導入される。大阪母子医療センターでは、最新保育器の購入資金に約1000万円が寄せられた。

 研究支援を訴える医師もいる。東京都狛江市の慈恵医科大学第三病院小児科の勝沼俊雄教授(58)は、小児ぜんそくの研究のため、1月末まで専用サイト「レディーフォー」(https://readyfor.jp/)で1000万円を目標に寄付を募る。ステロイド薬を毎日吸入しなくても効果が衰えないことを証明するのが目的だ。

 国からの3年間の研究費では成果が出ず、中断した。勝沼教授は「薬を減らす研究は製薬会社の支援が得にくい。子どもたちのために研究を続けたい」と話す。

 レディーフォーの担当者は「子どもの医療は関心が高く、役に立ちたいという人は多い」と話している。

2018年1月12日07:34 Copyright © The Yomiuri Shimbun