夜のひき逃げも車種特定…捜査員がシステム開発

  • 車の特徴を入力して特定するシステムを使う捜査員(府警本部で)
    車の特徴を入力して特定するシステムを使う捜査員(府警本部で)

 ひき逃げ車両を特定するため、大阪府警の若手捜査員3人が手作りで開発したシステムが、検挙率の向上に一役買っている。暗闇で防犯カメラの画像が不鮮明でも、テールランプの形やナンバーの位置などから車種を特定。夜目が利くフクロウにちなんで「Fシステム」と名付けられ、利用は31都府県警に広がっている。

 ひき逃げ事件の捜査は、まず車種を特定し、利用者を絞り込んでいくことが多い。しかし、発生が多い夜間は、防犯カメラに鮮明な画像が残りにくく、特定が困難。これまでは膨大な量の車のカタログと見比べる作業も必要だったという。

 蓄積された夜間の画像を分析し、効率が良くて精度が高いシステムを作れないかと考え、2011年に若手捜査員が研究を開始。パソコンの表計算ソフトを応用し、業務の合間に開発を進めた。

 15の項目について選択肢から車の特徴を選ぶと、登録された4380モデル(4月現在)から車種が絞り込まれる仕組み。昨年2月に岸和田市で発生したひき逃げ事件では、防犯カメラ画像で車種は特定できなかったが、システムを利用して約20分でワンボックス車を特定。容疑者の逮捕につながった。

 13年の導入前、夜間のひき逃げ事件で車を特定できた割合は約50%だったが、17年は約80%まで向上。検挙率も、導入前の50%前後から63%に上がった。

 評判を聞きつけた警視庁や神奈川県警などから「導入したい」という要望が相次ぎ、府警は無償でシステムを提供。ひき逃げ事件以外にも、ひったくりなど街頭犯罪の逃走車両の割り出しでも力を発揮しているという。

 府警は今後も登録車種を増やすなどシステムを充実させていく予定で、交通捜査課は「ひき逃げは絶対に許さないという思いで、捜査にあたる」としている。(苅田円)

2018年6月14日10:11 Copyright © The Yomiuri Shimbun