2018大学入試センター試験 現代社会 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

各分野の内容を多面的・総合的に幅広く問う出題が継続した。全体的な問題構成においては、2011年度以降、変化は見られない。


全大問にリード文が付されるなど、形式面は2011年度以降の問題構成を踏襲している。内容面においても、昨年に引き続き、世界遺産に関して写真を用いて問われるなど、総じて「現代社会」らしさの感じられる工夫がなされている。各分野の内容が多面的に問われ、思考力・判断力・読解力が求められる。

問題分析

大問数 大問数: 6 (昨年と同じ)
設問数 設問数:36(昨年と同じ)
解答数 解答数:36(昨年と同じ)

問題量

  • リード文、設問文とも、その分量は全体的に近年の傾向を踏襲しており、きちんと過去問対策をしてきた受験生にとっては、充分にゆとりをもって解答できるであろう。
  • 全36問中、4択式問題が30問(昨年32問)で、8択式問題が5問(昨年3問)、6択式問題が1問(昨年1問)。

出題分野・出題内容

  • 大問内の小設問は、「政治・経済的事項」「倫理的事項」が分野横断的に構成されている。
  • リード文の内容と合致する記述を選ばせる問題も昨年に引き続き出題されており、読解力についても同時に問われている。
  • 「課題追究学習(調べ学習)」に関する出題は昨年同様1問であり、2006年度以降の出題が継続された(2010年度を除く)。

出題形式

  • 「適当でないもの」を選ばせる問題は昨年から減少し7問(昨年10問)。
  • 組合せ形式の問題は昨年同様4問。
  • 図表を用いた問題は昨年同様2問。

難易度(全体)

  • 2011年度以降の出題形式を踏襲しており、過去問演習を通して対策をきちんと取ってきた受験生にとっては解きやすいだろう。思考力を要する問題や正誤判定に正確な内容理解を要する問題も多い。難易度は昨年並み。

設問別分析

第1問 (22点満点)

配点 出題内容 難易度
22 地域社会 やや易

大学教員と大学生の会話形式のリード文を用いて、経済分野の内容を中心に問われた。8つの小設問の内容を見てみると、問1で会社について、問2で社会参加や社会貢献について、問3で技術革新について、問4で日本の産業構造について、問5で日本の雇用について、問6で金融について、問7で日本の地域が抱える問題や取組みについて、問8で図表の読解・分析問題が、それぞれ出題された。いずれの小設問も基礎・基本的事項であり、正誤判定は比較的容易であるものの、正確な内容理解が問われており、得点差がついたと思われる。取りこぼしのないようにしたい大問であると言える。問8の図表の読取り問題は、過去問演習で同様の問題に慣れていた受験生にとっては、容易であっただろう。

第2問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 主権者教育とその取組み 標準

主権者教育とそのための取組みについて、日本の18歳選挙権導入に関するリード文を用いて、政治分野の内容を中心に問われた。5つの小設問の内容を見てみると、問1でアメリカの政治制度について、問2で選挙制度について、問3で日本の地方自治について、問4で青年期の発達について、問5で国会議員や国会に関する日本国憲法の規定について、それぞれ出題された。いずれの小設問も、基礎・基本的事項ではあるが、学習が中途半端な受験生にとっては、各選択肢の正誤の判断に迷いが生じたのではないだろうか。

第3問 (22点満点)

配点 出題内容 難易度
22 データの重要性とその活用 やや難

社会においてデータの果たす重要な役割とその活用に関して、コンビニエンスストアなど、「現代社会」らしい身近な切り口から述べたリード文を用いて、分野融合的に問われた。8つの小設問の内容を見てみると、問1で防衛機制について、問2で契約について、問3で日本の公害について、問4で日本の世界遺産について、問5で世界の人口問題について、問6で資源の利用に関する日本の法制度について、問7で日本の行政について、問8でリード文との内容合致について、それぞれ出題された。問2は、「契約が有効に成立するための条件」として提示された3つの事例から敷衍して考える必要があり、思考力を要する問題であった。過去問ではあまり見慣れない形式の問題であったため、解答に時間を要した受験生も多かったのではないだろうか。問4では、昨年に引き続き、世界遺産に関して写真を用いて問われた。登録区分が自然遺産であるものを選ばせる問題であり、やや苦戦したのではないだろうか。問8のリード文との内容合致問題は昨年に引き続き出題された。

第4問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 ロボットとの付き合い方 標準

人工知能の技術的な進歩に伴う、ロボットの進化をテーマとした「現代社会」らしいリード文を用いて、分野横断的に問われた。5つの小設問の内容を見てみると、問1でコミュニケーションについて、問2で日本の社会保障制度について、問3で調査や研究について、問4で日本の伝統的な文化や思想について、問5でロボットの進歩と普及に伴う課題について、それぞれ出題された。問3は、近年のセンター「現代社会」における特徴の一つである課題追究学習(調べ学習)からの出題であった。

第5問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 新自由主義 標準

新自由主義政策のあり方に関するリード文を用いて、経済分野について問われた。5つの小設問の内容を見てみると、問1で経済思想とその影響について、問2で一国全体の経済とその動きについて、問3でリカードの比較生産費説に基づく国際分業の利益について、問4で日本や世界で生じた経済の危機・混乱について、問5で日本の経済政策や社会政策について、それぞれ問われ、いずれも経済分野に関する出題であった。問3は「現代社会」や「政治・経済」において、いわば定番と言える問題である。

第6問 (14点満点)

配点 出題内容 難易度
14 パリ協定にみる議会の役割 標準

「パリ協定」をテーマに、議会の役割について述べたリード文を用いて問われた。5つの小設問の内容を見てみると、問1で開発途上国について、問2で外交交渉について、問3で図表の読取りについて、問4で地球規模の環境問題の解決に向けた取組みについて、問5で組織の意思決定について、それぞれ問われ、国際分野など分野横断的な出題であった。国際分野の理解が不足している受験生にとっては、失点を重ねてしまったのではないだろうか。国際分野は他分野に比べて比較的苦手にする受験生が多いため、得点差の大きい大問であったと思われる。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 57.41点 54.53点 58.99点 58.32点 60.45点
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