2018大学入試センター試験 倫理 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

昨年は10題あった8択式の選択問題が、4題へと大幅に減った。2~3行の4つの選択肢から正解を1つ選ぶ設問が、大幅に増えた。


近年の傾向だった形式・内容両面での難しさが大幅に緩和され、どちらの面でも、受験生にとって取り組みやすい構成に変わった。内容面では、基礎的な語句や思想のオーソドックスな理解を問う設問が目立つようになった。

問題分析

大問数 大問数は昨年と同じ4。
設問数 設問数は昨年から1つ減り、36。
解答数 解答数は昨年から1つ減り、36。

問題量

  • 3つの文の正誤や3つの該当語句の組合せが必要だった8択問題が大幅に減り、4択や6択問題が増えたことで、全体的に、受験生の負担がかなり軽減される分量となった。全体の設問数は、第4問で設問が1題減ったことで、従来の37題から36題に減った。

出題分野・出題内容

  • 第1問(現代社会・青年期・心理学など)、第2問(東西源流思想)、第3問(日本思想)、第4問(西洋近現代思想)という構成に変化はない。
  • 全体的に、思想や概念の深い理解と細かい知識が問われた従来の方針が変わり、学習内容のよりオーソドックスな理解を問う設問がメインになった。ただし、第3問で植木枝盛や三宅雪嶺、第4問では言語ゲームやホモ・ファーベルの概念の理解が問われるなど、発展的な設問も一部見られた。資料問題では、第4問でロジェ・カイヨワが扱われた。

出題形式

  • 8択の選択問題が、昨年の10題に比べて4題と、大幅に減った。多くの設問で、文の正誤の組合せや空欄補充語句の組合せなど複雑な形式が消え、2~3行の4つの選択肢のうちから正解を1つ選ぶ形式がメインになった。全体的に、取り組みやすい形式となった。

難易度(全体)

  • 8択式の設問が大幅に減ったことや、精読が必要な文章の量が総体的に減ったことなどの形式面での変化、および、内容面でもオーソドックスな事項の理解が中心的に問われるようになったことなどから、全体として、易化した。

設問別分析

第1問 (28点満点)

配点 出題内容 難易度
28 現代の社会や心理をめぐる諸問題~「純粋な善意」をめぐって やや易

動機の利己性・利他性と、それが行為に及ぼす結果をめぐる意見の対立を扱った本文を軸に、現代社会、心理学の分野から主に出題された。問1は3つの空欄に入る文の組合せを選ぶ新傾向の8択問題、問4も新傾向で、2つの文の正誤判定の組合せ。問2のハヴィガーストとオルポート、問9のセンの「潜在能力」の概念の理解は、やや細かい。例年通り、図表問題と資料読解問題が1題ずつあり。資料文は、国境なき医師団による「ノーベル平和賞受賞講演」。末尾の本文読解問題の配点が、昨年の2点から3点に戻った(第2~4問でも同様)。

第2問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 東西の源流思想~模範としての他者の生 やや易

他者の生を模範とする生き方というテーマを扱った本文を軸に、東西の源流思想分野から総合的に出題された。全体的に、4つの選択肢文から正解を1つ選ぶ形式が多く、特に各選択肢の分量について、問2は1行、問3~6は2行であり、読解に必要な量が大幅に減っている。また問3は資料読解問題で、『荀子』からの出題。問8は従来から見られた、3つの文の正誤の組合せを選ぶ設問だが、8択ではなく、6択になった。内容として、問1に預言者イザヤの名があることや、問4のアリストテレスの自然観の理解などは、やや細かい。

第3問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 日本思想史~教えるという営み やや易

日本の先人たちと「教え」との関わりを扱った本文を軸に、古代から近代までの、日本思想史の分野から総合的に出題された。問2の形式は鑑真、空海、一遍についての3つの文の正誤判定が必要な6択。問4は8択の空欄補充問題だが、全ての空欄が人名なのは新傾向。問5は石田梅岩の各思想の折衷という立場を扱い、問6では植木枝盛の事績が問われた。また問7は、三宅雪嶺の立場を、西村茂樹、阿部次郎、北一輝などを念頭に置いた選択肢の中から判定する設問で、発展的。問8の資料問題の題材は、内村鑑三「基督教と師弟の関係」。

第4問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 西洋近現代思想史~「遊び」の意味 やや易

人間や社会にとっての「遊び」の意味をめぐる文章を題材に、西洋近現代思想史の分野から総合的に出題された。テーマと関連して、問5ではロジェ・カイヨワの『遊びと人間』が資料文として出された。問1~3は、ヘーゲル、ロック、カントの思想の、基礎的な立場の理解が問われた。問6では「言語ゲーム」を題材に、ソシュール、ラカン、デリダの用語を交えた選択肢が見られた。問4でカーソン、問7で「ホモ・ファーベル」が問われたが、これらが第4問に出るのは珍しい。設問数は従来から1題減り、配点は全て3点になった。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 54.66点 51.84点 53.39点 60.87点 58.83点
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