2018大学入試センター試験 日本史B 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

社会・文化に視点を当てた問題が多く、史料・資料問題も昨年度に引き続いて読み取りを重視するものであった。


時代別では、原始から戦後を含み全体的にバランスがとれていたが、近世初期は中世史とともに出題された。分野別では、社会経済・文化史的な問題がやや増加した。設問内容では、写真点数は減少したが、史料問題と合わせれば昨年度と問題数に変化はなく、いずれも内容理解を重視したものであった。

問題分析

大問数 大問数6で昨年から変更はない。
設問数 設問数36で昨年から変更はない。
解答数 解答数36で昨年から変更はない。

問題量

  • 昨年とほぼ同じ。

出題分野・出題内容

  • 第1問テーマ史、第2問原始・古代史、第3問中世~近世初期、第4問近世史、第5問近代史、第6問近現代史という構成。
  • 第1問のテーマ史は、ここ2年間続いた日記・手紙を題材とするものから、それ以前の会話文形式に戻った。
  • 第3問は中世史の年代に加えて、近世初期の桃山文化までが範囲となった。その分、第4問の江戸時代の問題と合わせて、近世史からの出題が1題増えた。
  • 第6問は、第1問同様にここ2年続いた特定のテーマ史から、それ以前の人物を題材とする問題となった。また、昨年はなかった戦後史単独の問題も2問出題された。

出題形式

  • 出題形式に大きな変化は見られないが、史料問題が2問から4問へ倍増した一方、写真などを用いた視覚資料問題は6問から3問へと半減した。しかし、史料・資料問題とも読み取り重視であるので、出題の意図としては昨年度と変化はない。

難易度(全体)

  • 難化した昨年度と比較して選択に迷う問題がやや減少したほか、視覚資料が減少して史料問題が増加したが、読み取りに迷う問題も少なくなった。また、特に正解率が下がる年代整序問題も1題減った。これらを考え合わせると、全体として昨年度よりやや易化したといえる。

設問別分析

第1問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 古代~近代の政治・外交・社会・文化 標準
B 8 古代~近代の外交・社会 標準

古代から近代における政治・外交・社会・文化に関する問題で、2015年までの会話文形式が復活した。問2は土地制度に関して資料を参照しながら考える問題で、やや判断に迷ったと思われる。IIIとIVは特に注意が必要で、IVは収穫高ではなく地価であることがポイント。問6のXの写真は北緯50度線の標石で、日露戦争後のポーツマス条約に基づき樺太に設置され、Yの写真は関東都督府で1906年に旅順(地図中のd)に設置されたが、「満州」との関連でcと迷った受験生もいたかもしれない。日頃から地図を使った学習を心掛けたい。

第2問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 原始~古墳時代の政治・文化 標準
B 8 奈良~平安時代の政治・社会・文化 標準

国家・社会と音楽との関係をテーマに、原始・古代の政治・社会・文化を問う問題で、昨年に見られなかった原始からの出題が復活した。全体的には標準的な問題で構成される。問1アは青銅器の分布が問われており、銅鐸は近畿地方で、九州北部に分布するのは銅戈・銅矛である。平形銅剣の瀬戸内中部も含め、分布状況は押さえておこう。問3は古代の日朝関係の年代整序問題で、I(磐井の乱)の順番にやや迷うだろう。なお、III(好太王との交戦)が4世紀末~5世紀初め、II(倭の五王の朝貢)は5世紀、Iは6世紀前半である。

第3問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 平安末期~南北朝時代の政治・社会・文化 標準
B 8 鎌倉~安土桃山時代の社会・文化 やや難

地震とその影響をテーマに、中世から近世初期の政治・社会・文化を問う問題で、一部にやや難しい問題が含まれている。問4は中世の農耕を描いた図から情報を読み取る問題で、牛馬耕や田楽の様子が明確に描かれているため答えやすいだろう。問5は中世の港町と寺内町に関する問題で、兵庫や富田林、寺内町の特徴を押さえていないと判断に迷うだろう。問6は桃山文化に関する問題。人形浄瑠璃の始まりは桃山文化期であり、桃山文化で説明している教科書もあるが、受験生としては元禄文化の印象が強い事項なので引っ掛かりやすい。

第4問 (16点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 近世の外交・文化 標準
B 8 近世の政治・社会 標準

近世の外交・思想・宗教に関する問題であった。問2の年代整序問題は、IIとIIIの順番に迷うかもしれない。IIの亜欧堂田善は宝暦・天明期(18世紀後半)の文化、IIIの高島秋帆の砲術演習は19世紀半ばで、アヘン戦争の情報を受けての対応である。問6は、江戸時代後期の村社会についての問題である。選択肢はいずれも該当時期のものなので、内容での正誤判断が求められる。(2)の村方騒動は小百姓らが村役人の不正を追及したもの。(3)のマニュファクチュアは大坂・尾張などの綿織物業、桐生・足利などの絹織物業で行われた。

第5問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
12 幕末~明治時代の政治・文化 標準

幕末から明治時代の軍制改革と西洋医学を題材に、政治史を中心に出題された。問1の空欄補充問題では、廃藩置県の実施年やその内容を正確に把握している必要がある。問2は標準的な正誤問題だが、幕府による攘夷実行の約束と長州藩による外国船砲撃事件の関連性など、複雑な幕末の政治史を整理できているかがポイント。問3の年代整序問題では、「緒方洪庵」や「お雇い外国人」、「志賀潔」といった語句をヒントに、幕末~明治における西洋医学の導入・発展の過程を導き出したい。

第6問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
A9 近代の政治・社会・文化 標準
B 9 近現代の政治・文化 標準
C 6 戦後の政治・外交 標準

石橋湛山を題材とする問題で、昨年まで2年続いていた特定のテーマ史から、それ以前の人物を題材とする問題に戻った。問4は明治末~戦時にかけての思想・言論統制に関する問題で、Iの河合栄治郎は教科書の頻出度も低く、判断に苦しむ受験生もいたであろう。「ファシズム批判」から1930年代の言論統制に関する知識だと判断できれば正解を導き出せる。問5はやや細かい知識が選択肢として挙げられており正誤の判断に迷うが、文化財保護法が法隆寺金堂壁画の焼損を契機として、1950年に公布された法律であることに注意したい。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 59.29点 65.55点 62.01点 66.32点 62.13点
ADOBE READER ダウンロード

PDFファイルをご覧いただくには、アドビシステムズ社が配布しているAdobe Reader(無償)が必要です。
Adobe Readerをインストールすることにより、PDFファイルの閲覧・印刷などが可能になります。