2018大学入試センター試験 世界史B 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

正誤判定問題が大きく増加し、出題形式のバリエーションは少なくなった。出題分野も政治史中心で、知識重視の構成であった。


例年でもセンター試験の大半を占めていた正誤判定がさらに増加し、結果として出題形式のバリエーションは乏しくなったが、3年前に出現したグラフ問題は踏襲された。出題内容については、時代別ではバランスよく出題されているが、地域別では中国史の割合が増えた。分野も政治史中心となり、総じて思考力を問おうとしてきた近年の傾向には沿わない構成だったと言える。

問題分析

大問数 大問数は4で、昨年と変わらず。
設問数 設問数は36で、昨年と変わらず。
解答数 解答数は36で、昨年と変わらず。

問題量

  • 問題文や選択肢の文の長さは、例年と変わらず。

出題分野・出題内容

  • 前近代史・近現代史が概ねバランスよく出題されたが、やや前近代の出題量が増加した。
  • 西洋史・東洋史もほぼ均等に出題されていたが、やや東洋史の出題が増加した。東洋史の中では中国史からの出題が大きく増加した。
  • 政治史中心で、社会・経済史や文化史からの出題は少なかった。

出題形式

  • 例年は正誤判定が全体の半分から6割程度であったが、今年は8割程度が正誤判定の問題となり、大きく増加した。
  • 地図問題は昨年4問出題されたが、今年は1問だけであった。
  • グラフの読み取りが3年連続で1問出題され、完全に定着した。
  • その他に、年表問題が1問出題された。時系列整序問題は出題されず、異例と言える。

難易度(全体)

  • オーソドックスな問題が多く、極端な難問や易問は見られない。総合的な難易度は昨年並だが、出題が知識重視となったため、世界史が得意な人には易しく感じられたと思われる。

設問別分析

第1問 (25点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 帝政ローマの支配 標準
B 9 『アーサー王物語』とイングランド王朝 標準
C 8 中国の歴史叙述にみられる正統史観 標準

世界史上の帝国や王朝の支配がテーマであった。このテーマは過去にも見られ、2001年や2015年の第1問でも出題されている。出題形式を見ると、ほとんどの問題が4択の正誤文判定問題で、例年になくシンプルな出題形式であった。難易度的には標準的な問題が多く、時代別では古代から近世が網羅され、地域別ではヨーロッパ史を中心に、中国史・インド史・中央アジア史が出題された。また分野別では、純粋な政治史よりも問2や問4の問題に見られるように、社会経済史や文化史からの出題が目立った。

第2問 (25点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 シク教の拡大 標準
B 9 近世ヨーロッパのユダヤ人 標準
C 8 近代のイスラーム改革運動 標準

宗教や宗教集団をテーマに出題されている。問2は本年度唯一の地図問題。難易度は低いが、パータリプトラの場所を把握できていたかがポイントになる。問6、文化史分野のシェークスピアを同時代の政治史と関連させる必要があり、選択肢の2と3で迷った受験生もいたかもしれない。問7の空欄補充問題は、やや細かな知識が問われたが、2012年度に同種の問題が出題されている。問8、イスラーム同盟やバーブ教徒は盲点になりやすい。問9は正誤組み合わせ問題だったが、平易であった。

第3問 (25点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 パリの中世遺跡 標準
B 9 ドレスデンの聖母教会 標準
C 8 上海の歴史 標準

世界史上の都市とその建造物をテーマとして、古代から近代まで、また中国史や欧米史などを含み、幅広い分野から出題された。難易度としては標準的な問題ばかりである。問9のグラフ問題も五・四運動など鍵となる時期が判断しやすく、容易に読み取れただろう。問6は武器貸与法の適用範囲までは意識していなかったかもしれないが、中国やソ連も含めた連合国に適用された。問8は宋代の新法の内容である正答はやや選びづらいが、消去法でも解ける。

第4問 (25点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 ロシアの移住者 標準
B 8 世界大戦と難民 やや難
C 9 戦間期のユダヤ人音楽家 標準

人の移動と戦争との関わりについての問題。現代史からの出題が多い。特に問4は、ルワンダ内戦の時期を4つの時期から選ぶ年表問題であり難問。なおこの問題は全36問中唯一の年表問題であった。また問9も冷戦期に関する問題で、正答のANZUSがややわかりにくい。上に述べた2問を含め、問5の両大戦間期の出来事、問8の20世紀前半の中国における出来事など、時期が指定された問題が多かったのも本大問の特徴である。特に問5では判断の基準が事実の正誤ではないため、大まかな時期に関する知識が必要であった。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 65.44点 67.25点 65.64点 68.38点 62.43点
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