2018大学入試センター試験 政治・経済 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

現代的課題である格差問題やベーシック・インカム、安全保障関連法など、全体に時事的出題が目立つ。出題形式が多彩になった。


問題量・出題形式などはほぼ昨年度と同じだが、近年控えめであった時事的な出題が増えた。格差問題は第1・3・4問で扱われ、事態が流動的であった安全保障法制などが出題されたことが特筆される。出題形式では、記述の正誤問題が大きく減り、組合せ解答の設問などが増えて出題形式が多彩になった。

問題分析

大問数 大問数4は、昨年度と同じ。
設問数 設問数34は、昨年度と同じ。
解答数 解答数34は、昨年度と同じ。

問題量

  • 解答数などは増減なし。本文中の空欄補充問題のほか、設問中の文章の空欄補充問題が増え、読むべき文章量が増えた。

出題分野・出題内容

  • 全体の構成は昨年度とほぼ同じ。政治分野・経済分野の融合問題である第1・2問と、経済分野の第3問(昨年度は政治分野)、政治分野の第4問(昨年度は経済分野)からなる。
  • 昨年度と同じく、第2問以外は、一部を除き「倫理、政治・経済」との共通問題。
  • 大問のテーマは、第1問が近代国家の歴史、第2問が二つのニクソン・ショック、第3問が国家間・地域間・個人間格差、第4問が男女間の格差。
  • 第3問と第4問とで格差問題を広く扱った点のほか、フィンランドで社会実験中のベーシック・インカムや2015年成立の安全保障関連法などの時事的出題が特筆される。

出題形式

  • 記述の正誤判定問題が昨年度の22設問から16設問へと大きく減り、かわって、本文または設問中の文章の空欄補充問題(昨年度4→今年度5)、図表問題(昨年度6→今年度7)、それ以外の組合せ問題(昨年度1→今年度3)、年代順の問題(昨年度1→今年度2)など、出題形式が多彩になった。なお、例年通り大問のうち一つ(第2問)はリード文が会話形式となっている。

難易度(全体)

  • 多くの設問は基本問題であるが、冷戦期についての知識問題が多い第2問がやや難しい分だけ、昨年度よりも難化した。

設問別分析

第1問 (28点満点)

配点 出題内容 難易度
28 近代国家の歴史(需要・供給曲線、ローレンツ曲線、安全保障など) やや易

問2・6以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1の空欄イでは立憲主義の理解が問われた。問2の「第三の道」や問6の「政府委員」は高校教科書の掲載例が少ないのでやや難しい。問3(人権の分類)・問4(米英の政治制度)・問5(法の支配)は易しい。問7(需要・供給曲線)は標準問題だが、問題演習経験の少ない受験生でも落ち着いて考えれば正解に至る。問8は、ローレンツ曲線の描き方をきちんと学習した人にとっては易しい。問9(電力)は小売自由化などの知識を要する。問10(日本の安全保障問題)も知識問題であり、問9とともに正答率は第1問の中では低めだったであろう。

第2問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 二つのニクソン・ショック(冷戦、国際経済、日本の外交など) 標準

第2問は「政治・経済」単独の問題。問1の空欄イでは「トルーマン・ドクトリン」という用語ではなく、その内容(ギリシャとトルコへの援助)が問われたので、やや深い学習が必要。問2(ブレトンウッズ体制)は難しくはないが、国際通貨体制の丁寧な学習が必要なので、問1とともに正答率は低めだっただろう。問3(戦後復興期)はほぼ日本史の問題。問4(高度経済成長期)・問5(第一次石油危機の影響)・問6(パキスタンの核武装)は易しい。問7(日本外交の三原則)・問8(日米防衛協力のための指針)は知識問題なので、正答率は低めだったであろう。

第3問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 国家間・地域間・個人間格差(ベーシック・インカム、社会保障など) やや易

問3・5・6以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1の「トレード・オフ」「ベーシック・インカム」や問2の「フェアトレード」は高校教科書の掲載例の少ない語だが、フィンランドでの社会実験などで注目されているベーシック・インカムは私大入試での出題例が増えている。問3(GATTとWTO)・問5(シュンペーター)・問6(機関委任事務廃止)は易しい。問4(主要国の一次エネルギー供給)は大学入試の定番的な設問なので、問題演習経験の多い人にとっては易しい。問7(社会保障)ではフィラデルフィア宣言の知識が必要なので、正答率は低めだったであろう。問8(教育費支出)は知識不要の資料読解問題なので、落ち着いて考えれば易しい。

第4問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
24 男女間の格差(女性の割合、国会、性差別、雇用形態など) やや易

問3・4・6以外は「倫理、政治・経済」との共通問題。問1の表は日米独仏の男女格差を示すが、選択肢は各国の政治制度の記述で始まり、事実上は各国の政治制度の問題になっている。問2(国会の臨時会・特別会・緊急集会)は易しい。問3(直接請求)はオーソドックスな基本問題。問4(行政機関)では、設問文に「中央省庁再編の後に」とあるので東日本大震災後の復興庁が正解。問5(性差別)はアファーマティブ・アクション(ポジティブ・アクション)の知識があれば、問7(雇用形態)は労働者派遣法の知識があれば、易しい。問8の選択肢2(参議院議員の被選挙権年齢が衆議院議員の被選挙権年齢より高い)は、違憲とされていないので誤り(正解)。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 63.01点 59.97点 54.79点 53.85点 55.46点
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