2018大学入試センター試験 国語 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

国語全体として文章の論旨はとりやすいが、現代文(評論)において新傾向の出題が見られた。


現代文は評論で新傾向の問題が出題されたが、小説を含めて本文自体は読み取りやすい。古文は、近年出題されていなかった歌論の文章から出題された。漢文は問答形式の文章で、大意は取りやすいが、設問の解答においては個々の漢字を正確に理解する必要があった。

問題分析

大問数 大問数は、昨年と同様の4。
設問数 設問数は、昨年と同様の24。
解答数 解答数は、昨年と同様の36。

問題量

  • 評論は昨年よりも約300字程度増加し約4600字、小説は約300字程度減少し約4700字、古文は約200字程度減少し約1300字、漢文は11字減少し187字。

出題分野・出題内容

  • 近代以降の文章2題(評論・小説)、古文1題、漢文1題という構成は昨年と変化なし。
  • 第1問は有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ──集合的達成の心理学』、第2問は井上荒野「キュウリいろいろ」、第3問は江戸時代の国学者の本居宣長『石上私淑言』、第4問は李燾『続資治通鑑長編』からの出題。
  • 現代文の評論は人間にとってのデザインの意味について述べた文章。小説は夫と子どもに先立たれた妻の感慨を描いた作品。古文は、本試では2001年度国語Ⅰ・Ⅱ以来見られなかった歌論からの出題。「情」から生まれるのが和歌であるという作者自身の見解を問答体の形式で著した文章。漢文は、宰相となり声望を失わないために必要となる条件について述べた逸話。

出題形式

  • 現代文は評論で、図と会話文を組み合わせた問題が出題された。小説は例年通りの設問構成だった。古文は、文章自体は読みやすいが、本文全体への目配りを要する設問が増えた。問2の文法問題は、2017年度の追試と同じ形式で出題された。漢文は、概ね例年通りの設問構成だが、白文の書き下し・漢字の知識において、やや応用力を要する設問が見られた。

難易度(全体)

  • 一部に紛らわしい設問があるものの、全体的に本文の大意はとりやすく、総じて昨年並み。

設問別分析

第1問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問110 漢字の知識を問う問題 標準
問2 8 傍線部理由説明問題 やや難
問3 8 空欄補充問題 やや難
問4 8 傍線部理由説明問題 標準
問5 8 傍線部内容理解問題 標準
問6 8 表現・構成理解問題 標準

出典は有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ――集合的達成の心理学』。人間にとってのデザインの意味を論じた文章で、具体例も多く提示され比較的読みやすい。本文には珈琲カップとそれを持つ写真2枚が添えられ,問3では写真について4人の生徒が話し合っている文章中の空欄に入る表現を選択させる。写真と会話文を組み合わせた出題は初めての試み。その他、語句に「ダッシュ」を付した表現の内容理解を問う問5も新しさを感じさせるが、全体としての設問形式や内容は前年までをほぼ踏襲している。

第2問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問19 語句の意味説明問題 標準
問2 7 心情説明問題 標準
問3 8 心情説明問題 標準
問4 8 心情説明問題 標準
問5 8 心情説明問題 やや難
問6 10 表現理解問題 標準

昨年同様、小説の全文ではなくその一節からの出題だった。設問の中には明確な根拠を求めにくい問題が見られるため、消去法を活用して冷静に対処したい。問1はイで少し迷うか。問2は冒頭部分の心情の動きを捉えていけばそれほど難しくはない。問3は回想の内容をおさえることが求められる。問4と問5は積極的に正解を選びにくい側面があり、選択肢の判別を慎重に行いたい。問6は照合にやや手間取るが、正解の識別自体は比較的容易である。

第3問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問115 語句の解釈問題
問2 5 品詞の用法識別問題
問3 6 内容説明問題 標準
問4 8 内容説明問題 標準
問5 8 内容説明問題 標準
問6 8 内容説明問題 やや難

出典は本居宣長『石上私淑言』。昨年に続き、江戸時代中期の作品が用いられた。歌論であるが、本文中に和歌の引用は無い。文章自体は平易なものの、本文全体を通読して「情」と「欲」との対比を読み解くことが要求された。また、選択肢の絞り込みも難しくはないが、傍線部の近くに解答のヒントが得られる設問が多かった昨年とは違い、今年は、本文全体から解答の手掛かりとなる該当箇所を探す必要があった。なお、文学史を直接問う出題は無かったが、作者が国学者で「物のあはれ」論を説いたことなど、基本的な文学史的知識があるとよい。

第4問 (50点満点)

配点 出題内容 難易度
問15 漢字の意味問題 標準
問2 12 語句の解釈問題 標準
問3 10 書き下し文・解釈問題 標準
問4 7 主語把握問題 標準
問5 8 傍線部理由説明問題 標準
問6 8 傍線部説明問題 標準

北宋の歴史を編年体で著した李燾『続資治通鑑長編』が出典。水魚の交わりなどの君臣関係を論じた文章で、本文の大意は理解しやすい。問1は漢字の意味の組合せ問題で、「議」がやや紛らわしい。問2は「知」の異なる用法が問われており、「知開封府」の「知」がやや難しい。問3は白文から比較と否定の組合せを見抜く点が難しいものの、解釈は本文の大意から考えれば比較的理解しやすい。問4、問5、問6は主語の把握、理由説明、傍線説明と形式は異なるが、本文の大意から文の細部を読み解く問題で、大意が読み取れていれば正解を絞り込めるだろう。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 106.96点 129.39点 119.22点 98.67点 101.04点
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