2018大学入試センター試験 化学 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

やや複雑な計算問題が多く、考察力を要する問題も何題か出題された。知識問題は比較的平易であった。


解答する大問数は昨年同様7題で、解答数は28問であった。昨年同様、内容は典型的であるが、考察力を要するもの、やや面倒な計算を要するものが見られた。第6問と第7問のうち、1題を選択解答する形式だった。

問題分析

大問数 大問数は、昨年同様7で、そのうち6を解答。
設問数 設問数は、昨年の27より減少し、選択した問題によらず25。
解答数 解答数は、昨年の35より減少し、選択した問題によらず28となった。

問題量

  • 計算問題は選択した問題によらず1問減少して10問となった。全体的には解答数が減少したため、昨年に比べ、問題量は減少した。

出題分野・出題内容

  • 主として、第1問は物質の状態、第2問は物質の変化と平衡、第3問は無機物質、第4問は有機化合物、第5問は高分子化合物、第6問は合成高分子、第7問は天然高分子。
  • 第1問の問4の外圧と沸点の関係についての問題、第2問の問2の反応速度と物質量の問題、第3問の問5の水和物の質量変化に関する問題のように、グラフを考察するやや難易度の高い問題が出題された。
  • 例年どおり、一部、化学基礎の分野の問題が出題された。

出題形式

  • 出題形式は、従来のセンター試験と同様、小問集合形式であった。第1問〜第5問は必答問題、第6問と第7問は選択問題で、昨年と同じであった。また、昨年見られた8択式の問題がなくなった。

難易度(全体)

  • 内容は典型的であるが、グラフ考察問題が増加し、計算問題も複雑なものが目立った。一方、知識問題は基本的なものが多かった。全体として、難易度は易化。

設問別分析

第1問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
問14 原子の構造 やや易
問2 4 典型元素と遷移元素 やや易
問3 4 結晶格子(六方最密構造) 標準
問4 4 蒸気圧と沸点(グラフ読み取り) やや難
問5 4 濃度の変換 標準
問6 4 物質の三態 標準

物質の状態と化学基礎の分野からの出題。問1、2はいずれも典型的で、確実に得点したい。問3の六方最密構造の原子数は、知識として覚えている受験生がいる一方で、悩んだ受験生がいたかもしれない。問4は、外圧と沸点の関係を理解した上で、グラフの読み取りがうまくできたかどうかがポイント。問5はよく見かける濃度変換の問題であるが、計算ミスが怖い。問6も一度は目にしたことがあると思われるので、ミスはできない。

第2問 (24点満点)

配点 出題内容 難易度
問14 熱化学 標準
問2 4 反応速度(グラフ読み取り) 標準
問3 8 中和反応と電気伝導度 標準
問4 4 燃料電池(メタノール使用) 標準
問5 4 アンモニアの電離定数 標準

物質の変化と平衡の分野からの出題。問1の熱化学は典型的で、計算ミスが怖い。問2は、反応速度の変化はわかるが、量的関係で間違う可能性がある。問3は電気伝導度を利用して中和点を求めるものであるが、戸惑った受験生がいたかもしれない。問4の燃料電池の問題は、反応式が与えられているので難しくはない。問5は、電離定数について式変形をしていくもので、落としたくはない。

第3問 (23点満点)

配点 出題内容 難易度
問14 身近な無機物質 標準
問2 4 ハロゲンの単体と化合物の性質 やや易
問3 4 気体発生反応と性質 標準
問4 6 無機物質の性質 標準
問5 5 化学反応と量的関係(グラフの読み取り) やや難

無機物質の分野からの出題で、一部計算問題も含む。問1は、一部細かい知識があるものの確実に得点したいところ。問2のハロゲンも典型的な内容ばかりである。問3は、気体を特定した後その性質を問うものだが、平易である。問4も、窒素とマグネシウムの典型的な性質が問われている。問5は、硫酸塩の水和水が加熱によって失われる過程を問うもので、金属が未知なこともあり計算に時間がかかるだろう。

第4問 (19点満点)

配点 出題内容 難易度
問13 脂肪族化合物の構造 やや易
問2 4 幾何異性体 標準
問3 4 アセトンの性質と反応 やや易
問4 4 直鎖状アルコールの計算 やや難
問5 4 アセチルサリチル酸の合成実験 やや易

問1は有機化合物の命名法をおさえられていれば平易。問2は幾何異性体が存在することから、分子式中の水素原子数と塩素原子数の和が4になることに気づけば2択まで絞れる。問3はアセトンの基本知識とフェーリング液の還元、ヨードホルム反応を知っていれば迷わず解ける。問4はAが一価アルコールであることに気づけば反応式から反応したAは0.25molであることがわかる。問5はサリチル酸、アセチルサリチル酸の基本知識なので平易。

第5問 (5点満点)

配点 出題内容 難易度
問12 合成高分子の構造と合成法 やや易
問2 3 高分子化合物の性質 標準

昨年同様、合成高分子と天然高分子の必答問題。問1の合成高分子の構造と合成法に関しては、基本知識であるので平易。問2の低密度ポリエチレンや導電性高分子については細かい知識であるが、アミロースはデンプンであり、ヨウ素デンプン反応に陽性であることを知っていれば問題ない。

第6問 (5点満点)

配点 出題内容 難易度
問12 熱硬化性樹脂 やや易
問2 3 ポリアミドの計算問題 標準

選択問題で、合成高分子からの出題。問1の熱硬化性樹脂を選ぶ問題は、選択肢がいずれも基本知識なので平易。問2のポリアミドの計算問題は、繰り返し単位構造の式量が282であることに気づけば計算も難しくない。

第7問 (5点満点)

配点 出題内容 難易度
問12 タンパク質の構造と性質 標準
問2 3 糖の物質量計算 標準

選択問題で、天然高分子からの出題。問1のタンパク質の分類についてはやや細かい知識であるが、タンパク質の変性について知っていれば平易。問2は、単糖は還元性を示すこと、スクロースは示さないことを知っていれば難なく解けるが、量的関係には注意が必要。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 51.94点 54.48点 62.5点
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