2018大学入試センター試験 地学 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

昨年に比べ地学基礎の知識で解答できる出題が減少し、計算量を要する出題が増加した。


昨年と同じく必答問題が4題(88点)、選択問題が1題(12点)だが、「地学」からの出題の割合が高くなり、細かい知識を問われた問題も増加した。また、計算量を要する出題が増加した。

問題分析

大問数 大問数は必答4選択1の計5で昨年と変化無し。
設問数 設問数は30で昨年と変化無し。
解答数 解答数は30で昨年と変化無し。

問題量

  • 昨年より2ページ(下書き用紙を含めると3ページ)増加。時間に対してほぼ適量。

出題分野・出題内容

  • 必答問題が地球、岩石・鉱物と地質、大気と海洋、宇宙で、選択問題が地質と岩石、宇宙と設問数・配点ともにバランス良くほぼ全分野から出題された。
  • 昨年同様、選択問題はやや取り組みにくく、細かい知識が問われた問題もあった。
  • 計算量は増加した。

出題形式

  • 選択肢の数が6つある2問以外はすべて選択肢の数が4つであった。
  • 必答問題で、複数の答えを組合せて解答する問題が10題から12題に増加した。

難易度(全体)

  • 地学基礎の知識で正答できる問題もあるが、「地学」の細かい知識を問う問題や計算量の多い問題が増加したため、全体の難易度は昨年よりもやや難化したと思われる。

設問別分析

第1問 (27点満点)

配点 出題内容 難易度
7 地球内部の層構造、地震波のP波とS波の性質 標準
7 深発地震の分布、地磁気異常の縞模様とプレートの拡大速度 やや易
6 地球楕円体とジオイド、氷床とアイソスタシー
7 上部マントルとマグマの生成、玄武岩質マグマ やや易

過去問に頻出の項目が多く取り組みやすかった。Aの問1は地殻・マントル・核で体積比と平均密度が最大の層を、問2はP波とS波の性質を問う平易な知識問題である。Bの問3は深発地震の分布図と和達−ベニオフ帯についての知識問題で、問4は地磁気異常の縞模様からプレートの拡大速度を計算する問題である。Cの問5はジオイドの起伏と地表の起伏との混同に注意が必要で、氷床のアイソスタシーについての問6は計算量が多い。Dの問7はかんらん岩とマグマの発生について、問8は玄武岩質マグマについての基本的な知識問題である。

第2問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
7 広域変成作用と多形鉱物
4 地質図と示準化石 標準
6 扇状地の形成、水流によって最初に動き出す砕屑物 やや易

Aの問1は珪線石と紅柱石を含む広域変成岩をつくる変成作用の、問2は多形の定義についての基本的な知識問題である。Bの問3は走向傾斜がわかっているルートマップ上の露頭で産出可能な示準化石の組合せを選ぶ問題で、イノセラムス、トリゴニア、フズリナが新旧順に並ぶ組合せを選べばよい。Cの問4は山地と平野の境界にできる河川地形と堆積する砕屑粒子の組合せを問う基本的な知識問題である。問5は水流によって最初に動き出す砕屑粒子を問う問題で、図が与えられていないのでやや難しい。

第3問 (27点満点)

配点 出題内容 難易度
10 コリオリの力と地衡風と地上風、偏西風の蛇行 標準
7 エルニーニョ やや易
10 亜熱帯環流と西岸強化、潮汐、津波の到達時刻 やや難

Aの問1は地衡風の吹く方向を、問3は地上風にはたらく力の名称を問う知識問題で平易だが,問2で問われている偏西風の蛇行とブロッキング高気圧の関係はやや細かい知識である。Bはエルニーニョについての出題で,問4で問われているエルニーニョ発生時における日本の寒暖傾向はやや細かい。Cの問6は亜熱帯環流の成因と西岸強化、問7は潮汐と地球・月・太陽の位置関係、問8は津波の到達時刻の計算問題で、問7と問8では2016年の第3問Bで問われた知識が再度問われている。

第4問 (17点満点)

配点 出題内容 難易度
10 HR図、巨星、星の進化、恒星の距離と等級 標準
7 金星の性質、金星と地球における太陽放射エネルギーの比 やや易

宇宙分野はHR図と金星について出題された。問1では巨星の性質とHR図の読み方に関する基礎知識、問2ではHR図上における星の進化に関する基礎知識が問われた。問3は恒星の距離と等級に関する問題だが、2つの星の見かけの明るさが同じで距離が100倍違うことを考えれば計算しなくても正答を選ぶことができる。問4は金星の性質を問うた基礎知識問題、問5は問題文に与えられた数値を用いて計算する問題であるが、題意を把握すれば計算は難しくない。

第5問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
6 地質時代の気候、ブロックダイヤグラム やや難
6 玄武岩と花こう岩の化学組成、花こう岩の性質 標準

第6問との選択問題である。Aの問1は地質時代の気候について問うた問題だが、正答は選びやすい。問2は右横ずれ断層でずらされた傾斜層の立体的な断面図の読図問題で、断層の西側でボーリングしたときの地層の境界の深さを正答するためには、地質構造を立体的に考える必要がある。Bは火成岩に関する問題で、火成岩の化学組成や色、成因、組織、結晶構造などが総合的に問われた。

第6問 (12点満点)

配点 出題内容 難易度
6 宇宙の元素、現在の宇宙の構成要素(エネルギー比) 標準
6 恒星の種族・天体の画像、天体の形状や分布 やや難

第5問との選択問題であり、宇宙分野からの出題である。問1は宇宙の元素に関する出題で、ヘリウムの大部分は宇宙誕生から数分後にすでに合成されていたことに注意する。問2の宇宙の構成要素や太陽の元素組成、問3の天体の画像は教科書でも扱われているが、やや細かい知識が問われた。問4は電波銀河についてのやや細かい知識も問われているが、ハッブル分類の知識のみで正答できる。いずれも教科書内から出題されているので、教科書を隅々まで学習することが肝要である。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 53.77点 38.64点 40.91点
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