2018大学入試センター試験 物理 問題分析

ヨミウリ・オンラインの大学入試特集では、2018大学入試センター試験の問題、正解、分析を速報します。問題と正解は大学入試センター発表。分析は代々木ゼミナール。

総評と分析

選択問題の「波動」が「力学」になった。正弦波の式や惑星の運動が本格的に取り上げられるなど、2次試験に近い出題となった。


全体として扱っている項目はほぼ変わらないが、大問の分野構成が変わり、また、例年に比べて波動・熱分野の難易度が上がっている。これらは考察力が必要であり、全体的に解きにくい印象である。

問題分析

大問数 大問数6で第5問と第6問は選択問題(昨年と同じ)。
設問数 設問数は22で、昨年と同じ。
解答数 解答数は合計23で、昨年と同じ。

問題量

  • 問題記載ページが2ページ増え、読むべき量が増加している。

出題分野・出題内容

  • 第1問が「小問集合」、第2問が「電気、磁気」、第3問が「波動」、第4問が「運動、熱」、第5問が「力学(惑星の運動)」、第6問が「原子」からの出題である。
  • 第3問の構成が、昨年のA波動、B熱から、A波動(波の式)、B波動(光の干渉)となった。
  • 第4問の構成が、昨年のA力学(エネルギー)、B力学(運動方程式)から、A力学(単振動)、B熱となった。

出題形式

  • 選択問題を含めて、大問内容構成が大きく変わっている。
  • グラフまたは図の選択が昨年の3から7に大きく増加している。

難易度(全体)

  • 昨年と比べるとやや解きにくいと思われる問題も目立つが、全体の難易度としては昨年並である。

設問別分析

第1問 (25点満点)

配点 出題内容 難易度
問15 運動量保存則・運動エネルギー 標準
問2 5 音波 標準
問3 5 点電荷による電場の合成 標準
問4 5 分子運動論 やや難
問5 5 重心 標準

例年通りの小問集合形式である。問1は運動量保存を用いて速度を求め、運動エネルギーを求める問題で、計算するだけである。問2は空気中を伝わる音波に関する出題であることに気づかないと悩んでしまうかもしれない。問3は電場のベクトル合成の問題である。対称性に気づけると楽。問4は分子運動論の公式が頭に入っていないと解けない。ヘリウムとネオンの分子量が分からなくとも部分点がもらえる。問5は典型的な重心を求める問題で、解いた経験があれば容易だっただろう。重心の位置がどちら側にあるかさえ分かれば部分点がもらえる。

第2問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
A10 コンデンサーの過渡現象 やや易
B 10 電磁誘導・電流が受ける力 標準

電磁気分野からの出題である。Aはコンデンサーの過渡現象に関する問であり、平易。問1はコンデンサーの充電の様子を、問2はエネルギー保存を理解していればよい。Bは標準的な電磁誘導の問題で、問3では誘導起電力が何によって生じるのかが理解できているかどうかが問われている。よく見かける問なので、落としたくない。問4は重力と電流が受ける力のつり合いを式で表せばよいが、エネルギーの関係式を用いても解くことができる。

第3問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
A12 波の式・定常波 やや難
B 8 光の干渉 標準

波動分野からの出題である。Aは波の式と定常波に関する出題で、問1は波の速度と波長から求める必要がある。問2はグラフから腹と節の位置を求め、後は入射波と反射波の経路差がどのような条件を満たすかを考えて、反射の様子を逆算する。節の位置さえ分かれば部分点がもらえる。問3は波の合成に関する出題で、周期が違うことに注意しよう。合成波の様子は分からなくても部分点がもらえる。Bは光の干渉の問題で、問4は平易だが、往復分に注意する。問5は波長を速さと周波数で表せばよい。数値計算が必要だが、難しい計算ではない。

第4問 (20点満点)

配点 出題内容 難易度
A8 摩擦力・単振動 標準
B 12 弾性力・熱力学 標準

前半のAは力学分野から、後半のBは熱力学からの出題である。Aは摩擦力と単振動を扱っており、問1は最大静止摩擦力と弾性力がつり合う位置を求めればよい。問2は素直に式を立て、変形する。求める時間が半周期であることに注意しよう。Bはばねと熱力学の問題で、問3はつり合いの式だけでは上手くいかない。ばねの縮みを体積と断面積から求められるかどうかがポイント。弾性エネルギーが求まらなくとも部分点がもらえる。問4は温度が与えられているので、即答したい。問5も横軸とp-V曲線が囲む面積を選べばよいだけである。

第5問 (15点満点)

配点 出題内容 難易度
15 万有引力 標準

選択問題が波動から万有引力を扱う力学の問題に変更された。面積速度一定の法則が問題文に与えられていなくても解けるべきである。問2は見慣れぬグラフだが、位置エネルギーが負であることと、力学的エネルギーが変化しないことを利用して解答する。問3では、速度は等速円運動の式を用いて求める。力学的エネルギーの大小は、近日点での速さの大小関係が分かっていればどちらが大きいか分かるだろう。

第6問 (15点満点)

配点 出題内容 難易度
15 原子核と素粒子 標準

原子分野が昨年に引き続き選択問題として出題された。問1は原子核と素粒子に関する知識問題で、クォークや自然界における力など、あまり扱わない分野に関する記述が見られ消去法が難しいので、正しい選択肢を自信をもって選びたい。問2は原子核崩壊で変化する量と変化しない量が理解できているかどうかを試している。問題集でよく見かける問題なので、落としたくないが、α崩壊の回数さえ分かれば部分点がもらえる。問3は原子核の数が減少していく様子と、半減期の意味が分かっていれば解ける。

大学入試センター試験平均点(過去5年分)

年度 2017年度 2016年度 2015年度 2014年度 2013年度
平均点 62.88点 61.7点 64.31点
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