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[平昌へ 期待のエース]金へスイッチオン…小野塚彩那(2018年1月8日)

◇フリースタイルスキー 女子ハーフパイプ 小野塚彩那 29(石打丸山ク)

  • 平昌五輪で金メダルを狙う小野塚彩那(12月6日、米コロラド州カッパーマウンテンで)=若杉和希撮影
    平昌五輪で金メダルを狙う小野塚彩那(12月6日、米コロラド州カッパーマウンテンで)=若杉和希撮影

 ◆現実主義 大技に磨き

 初夢は見なかったという。海外遠征からのつかの間の帰省は、親族と共にオープンさせたばかりの食堂の手伝いに大忙しで、疲れきって深い眠りに落ちていたからだ。「みんな手が慣れていなくて、ばたばたで。でも、いいリフレッシュになりました」

 米どころとして知られる新潟県南魚沼市で、アルペンスキーに明け暮れた。2014年のソチ五輪でフリースタイルスキーのハーフパイプが新種目に採用されるのを受け、11年に転向し、五輪本番で銅メダルをもぎ取った。それからワールドカップ(W杯)で2季連続の種目別総合優勝を決め、昨年3月の世界選手権では、この種目で男女を通じて日本勢初となる金メダルに輝いた。

 強さの源泉は、徹底した現実主義にある。

 現在、後ろ向きに飛び出す「スイッチ」の精度を高めることに重点を置いている。しかも、最高難度の2回転半(360度×2・5=900)を組み込んだ「スイッチ900」の完成を視野に入れる。左右両方向の回転で900を決める選手はいるが、「スイッチによって、両方向の900とほぼ同等か、それ以上の評価を審判員からもらえると思う」と考えるためだ。

 それでも、「あくまで完成度次第」と冷静な目で自分を見つめる。「仮にできたとしても、やらない方がいい程度の完成度だったら、オリンピックでやることはない。去年と同じルーチン(演技構成)の方がよければ、去年と同じそのルーチンで臨む。できそうだと思ったらやる。だめならやらない。それだけです」

 有言実行を信条としてきた。母のゆかりさん(49)が「言ったことは、必ずしなければいけないという考えを持っている子」という娘が、実現を期して口にする思いがある。「オリンピックは、この競技に注目してもらえる4年に1度の機会。普及のためにもすごくいいチャンスだと思っている。しっかり金メダルを取って、また子供たちにスキーを教えられたらいいなと思います」

 子供たちと一緒に見る夢は、はっきりとした輪郭を描いている。(田中潤)

          

  • 小野塚彩那選手
    小野塚彩那選手

 ◇おのづか・あやな 1988年生まれ。新潟県南魚沼市出身。2014年ソチ五輪で銅メダルを獲得。世界選手権では13年に銅メダル、17年は金メダルに輝いた。W杯では14~15年シーズン、15~16年シーズンと種目別総合2連覇。1メートル58、50キロ。

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2018年1月18日11:40 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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