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[平昌へ ライバルたち]5つの4回転 生命線…ネーサン・チェン(2018年1月16日)

 来月9日に開幕する 平昌 ( ピョンチャン ) 五輪で、日本は前回のソチ五輪を上回る9個以上のメダルを目指すが、海外勢も本番へ向けて本領を発揮してきた。金メダルを狙う日本選手のライバルたちを紹介する。

◇フィギュアスケート男子 ネーサン・チェン18(米)

  • 平昌五輪で金メダルを狙うネーサン・チェン(さいたまスーパーアリーナで、2017年10月7日撮影)
    平昌五輪で金メダルを狙うネーサン・チェン(さいたまスーパーアリーナで、2017年10月7日撮影)

 急激に進化する男子の「4回転時代」をリードしてきたジャンパーだ。世界でただ一人、アクセルを除く5種類の4回転ジャンプを試合で成功させた「4回転の申し子」が、初の五輪で頂点を狙う。

 最も基礎点が高くて難しいとされるルッツとフリップを得意とする。ミスの許されないショートプログラム(SP)から、高難度の4回転2本をプログラムに組み込み、逃げ切るのが勝ちパターン。冒頭に跳ぶ「4回転ルッツ―3回転トウループ」の連続ジャンプは、基礎点だけで17・90点を稼ぐ最強の飛び道具だ。

 フリーも見逃せない。昨年1月の全米選手権では、国際スケート連合(ISU)非公認ながら、史上初めてフリーで5度の4回転を成功させた。大技が5種類あれば、フリーで7本まで4回転を跳べる計算だし、その日の調子に応じて演技構成を自在に変えることもできる。ジャンプごとの出来栄え点や、スケート技術を始めとするプログラム構成点では世界王者の羽生結弦(ANA)に及ばないが、4回転の数で対抗する。

 軽々と4回転を跳ぶ秘訣(ひけつ)は、跳び上がってから回転するまでの、素早い体の動きにある。幼少期からスケートと並んで体操やバレエを経験したお陰で「ジャンプするための体の使い方が、自然と分かる」と話す。両親は中国からの移民で苦労も多かったというが、その才能を伸ばすため、様々なスポーツを経験させてくれたという。

 シニア2季目を迎え、出場5試合で全勝と勢いは増すばかり。グランプリ(GP)シリーズのロシア杯で羽生を抑えて優勝し、昨年12月のGPファイナルは宇野昌磨(トヨタ自動車)を僅差でかわして初優勝。ファイナルは羽生が不在だったが、五輪で勝つ可能性を世界に知らしめた。

 子どもの頃から世代別の全米王者に輝き、人気低下の一途をたどるフィギュア大国の切り札として期待されてきた。「五輪に出場することが最大の目標。そのために人生のすべてをささげてきた」との覚悟で、念願の舞台にたどり着いた。次の目標は、「五輪で表彰台の真ん中に立つこと」。連覇を目指す羽生ら日本勢と、激しいメダル争いを繰り広げそうだ。(永井順子)

 1999年生まれ。米ソルトレークシティー出身。2017年四大陸選手権優勝。17、18年と全米選手権2連覇。1メートル68、61キロ。

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2018年1月25日11:13 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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