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フィギュアスケート

【解説】横谷花絵の目…思わず浮かんだ「予選」の記憶

  • 団体戦の男子SPで転倒するパトリック・チャン(9日、韓国・江陵で)=加藤学撮影
    団体戦の男子SPで転倒するパトリック・チャン(9日、韓国・江陵で)=加藤学撮影

 団体戦初日、男子ショートプログラム(SP)。この戦いの位置づけは、なかなか微妙だと思う。終了後のインタビューで、宇野昌磨が「本番では……」と、うっかり口にしかかって、「個人戦では」と言い直していた。

 「4回転の申し子」とも呼ばれる米国のネーサン・チェン、ロシアからの五輪選手(OAR)でエース級のミハイル・コリャダ、そして経験豊富なカナダのパトリック・チャン。強豪がそろって、ジャンプで転倒するなどの大きなミスを繰り返した。みんなどうしちゃったんだろう――と感じるような出来だった。そんなライバルたちと比べれば、冒頭のジャンプで氷に手をついた1回しか目立ったミスがなかった宇野は、ずっといい演技だった。ただ1人、100点を超えて首位に立った採点結果は、うなずける。

 それでも、ミスをした各選手の表情に、それほど深刻さはなかった。特に、現役最後の五輪で団体戦の金メダルを切望しているはずのチャンが、明るい笑顔でカメラに手を振ってみせたのが印象に残る。強豪の多くが、集中力を高めきれないまま、リンクに立っていたように見えた。

 オリンピックのフィギュアスケートで、団体戦が行われるようになったのは、前回のソチ大会から。この種目に選手たちがどんな気構えで臨んでいるのか、私には想像するしかない。ただ、宇野の言葉やチャンの笑顔から思い出したのは、私が現役だった1990年代後半頃の国際大会で経験した「予選」だ。もう行われなくなった予選を、当時は8割程度の力で滑る有力選手が多いように感じたものだ。体力や気力を温存し、決勝に向けてしっかりと調整しようという意識だったと思う。

 たくさんの反省点を見つけたはずの強豪たち。16、17日の個人戦では、どれだけ調子を上げてくるか。「修正力」に注目したい。(敬称略)

解説者プロフィル

横谷花絵(よこや・はなえ) 1978年3月25日、東京都生まれ。95年全日本選手権優勝。世界選手権出場3回。引退後はプロスケーターを経て、インストラクターに転身した。現在は明治神宮外苑アイススケート場で指導する。

2018年2月9日19:00 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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OARはロシアからの五輪選手