スピードスケート

【解説】外ノ池亜希の目…3000で入賞2人、女子の底上げ実感

  • 女子3000メートル、スタートする高木美帆(10日)=竹田津敦史撮影
    女子3000メートル、スタートする高木美帆(10日)=竹田津敦史撮影

 高木美帆選手は今季のワールドカップ(W杯)でこの種目(女子3000メートル)に優勝したこともあって期待していたが、前半は滑りが普段よりも軽い感じだった。もともと、ひざのバネをうまく使う選手だが、その力が氷に伝わらずに上の方に逃げていって上半身がふわふわしているように見えた。

 平昌入りしての調整が、この段階ではまだ完全なところまで仕上がっていなかったのだろう。タイム的には悪くない。3位のデヨング選手とは1秒33の差で、上位もタイム差がなかった。足がうまく使えてきた後半に自分の滑りを取り戻しただけに、前半の滑りがもったいなかったという印象だ。

 次は(12日の)1500メートルだが、その前に3000メートルを滑ったことは良かったと思う。お客さんが入るとリンク内の温度や氷の状態、雰囲気は変わるもの。本命と言われる1500メートルに向けて体が良い刺激を受けたのではないか。

 8位の佐藤綾乃選手は、マススタートの滑りを見て、スタミナのある選手だなという印象を持っていた。後半のきついシーンでのラップの上がり下がりに耐えられる強い心肺機能を持っている。3000メートルで胸突き八丁と言える最後の2周でラップを上げたのは見事だった。菊池彩花選手は足の大けがからの復帰で、この五輪に間に合ったのは奇跡的なことだ。納得いくタイムではなかったかもしれないが、力は出し切れた表情だった。

 3000メートルは、1500のようにスピードを出したら失速するし、5000のようにゆっくりだと良いタイムが出ない。抑えすぎても、積極的に行き過ぎてもダメで、難しい種目だ。欧州勢の牙城と言われた3000で日本人選手が2人も入賞したことは、中長距離でも日本の女子の底上げがうまくいっていることの証しだ。

解説者プロフィル

外ノ池亜希(とのいけ・あき)1979年3月3日、長野県生まれ。18歳で出場した98年長野オリンピックから、ソルトレークシティー、トリノと五輪3大会に出場。ソルトレークシティー大会では女子1000メートルで当時の日本記録となる1分14秒6で7位入賞。

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2018年2月11日01:00 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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