スピードスケート

【解説】外ノ池亜希の目…重圧をはねのけオランダ勢の牙城崩す

  • スピードスケート女子1500メートル、レースを終え、スタンドに向かって笑顔で手を振る高木美帆(12日、韓国・江陵で)=武藤要撮影
    スピードスケート女子1500メートル、レースを終え、スタンドに向かって笑顔で手を振る高木美帆(12日、韓国・江陵で)=武藤要撮影

 スタート1回目でフライング。高木美帆選手には珍しいことだし、ましてや短距離でもない1500メートル。少し気持ちの乱れがあったのかと思うが、そのことで一呼吸おいて、普段の自分に戻ることができたのではないかと思う。

 仕切り直しのスタートも上々。先行逃げ切り型のベルフスマ選手(オランダ)に対し、こちらは過度に足を使わず、自分の普段通りの滑りで入れた。

 ベルフスマ選手に前半、無理なく先行してもらい、良い形で追いかけることができた。最後のバックストレートまでほど良い距離を保つと、疲れの見えた相手を一気に置き去りにしてメダルを引き寄せた。

 私も長野五輪で経験があるが、この種目は700メートル過ぎから身体に乳酸がたまりはじめて足にきて、後半は本当に苦しく、それだけに最後の1周の落ち幅がタイムに大きく響く。スケート選手として、そんな一番つらいところで目の前に目標がいることは、自分が先行する展開よりも気持ちが楽になり、力が出せるもの。

 同じような展開は、国内の大会で短距離を得意とする小平奈緒選手と一緒に滑って何度も経験しており、五輪の舞台でもその良いイメージで最初から最後まで滑りきることができたと思う。

 金メダルのブスト選手(オランダ)との差は0秒2で、5位までが1分55秒台。力の差はなく、僅差のメダル争いとなったが、前回のソチ五輪出場を逃し、2大会ぶりの五輪にかけてきた強い思いが結実した。今季W杯では4戦4勝で期待も大きく、重圧は相当なものだったはず。ソチでこの種目、表彰台を独占したオランダ勢の牙城を崩した銀メダルは見事だった。

解説者プロフィル

外ノ池亜希

(とのいけ・あき) 1979年3月3日、長野県生まれ。18歳で出場した98年長野オリンピックから、ソルトレイクシティ、トリノと五輪3大会に出場。ソルトレイクシティ大会では女子1000メートルで当時の日本記録となる1分14秒6で7位入賞。

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2018年2月13日09:28 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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