フィギュアスケート

【フィギュア男子SP解説】横谷花絵の目…天才・羽生結弦の復活に脱帽

  • 羽生結弦のSPの演技
    羽生結弦のSPの演技

 天才・羽生結弦――。それ以外に、言葉が見当たらない。

 まず、冒頭の4回転サルコー。驚くほど見事だった直前練習でのジャンプにも増して、鮮やかに決めた。トリプルアクセル、4回転トウループ―3回転トウループの連続ジャンプ。さらにはスピンやステップ、気品の漂う身のこなし。すべての演技が、故障明けの「ぶっつけ本番」でオリンピックに臨んだ選手とは、とても思えない出来栄えだった。

 羽生のジャンプは、空中姿勢の美しさや回転速度だけでなく、踏み切りの質の高さ、着氷後に次の演技につなぐ流れの作り方が素晴らしい。だから、出来栄え点が非常に高くなる。羽生よりも難度の高いジャンプを含むプログラムに挑み、転ばずにこなした宇野昌磨を上回る得点を得られるのは、そのためだ。

 右足首に大ケガをしてから年明けまで、約2か月間も氷に乗れなかったという。スケート選手は、3日間氷に乗らなかっただけでも、感覚が狂うものだ。久々に試合の緊張感の中で、曲に合わせて滑った時に、故障前と遜色ないレベルの演技を見られようとは、思わなかった。並はずれた選手であることは、よく分かっていたつもりだったが……。

 「僕はオリンピックを知っていますし、元オリンピック・チャンピオンなので」

 そんな言葉を、終了後のインタビューで言われたら、脱帽するしかない。

 演技の質や実戦感覚に何の問題もない以上、17日のフリーでの焦点は、体力面に尽きるだろう。SPは約2分40秒間で演技が終わるが、フリーは約4分半と長い。跳ぶジャンプの数も違う。それさえ乗り切れば、フィギュア男子では66年ぶりとなるオリンピック連覇への道筋は、すでについている。

解説者プロフィル

 横谷花絵(よこや・はなえ) 1978年3月25日、東京都生まれ。95年全日本選手権優勝。世界選手権出場3回。引退後はプロスケーターを経て、インストラクターに転身した。現在は明治神宮外苑アイススケート場で指導する。

2018年2月16日17:30 Copyright © The Yomiuri Shimbun

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