「友里香さん頑張っているから」被災地にパワー

  • バイアスロン女子6キロ(立位)で、レース後にインタビューを受ける阿部友里香選手(10日午後、韓国・平昌で)=上甲鉄撮影
    バイアスロン女子6キロ(立位)で、レース後にインタビューを受ける阿部友里香選手(10日午後、韓国・平昌で)=上甲鉄撮影

 【平昌ピョンチャン=石坂麻子】東日本大震災で被災した岩手県山田町出身の阿部友里香ゆりか選手(22)が10日、故郷の応援を背に、平昌パラリンピックのバイアスロン女子6キロ(立位)に出場した。結果は9位で入賞を逃したが、出場予定の残り3種目でメダルを目指す。

 この日は、父親の達也さん(55)ら家族や応援団が駆け付け、山田町の人々が寄せ書きした日の丸を掲げながら声援を送った。レース後、阿部選手は「日本から応援に来てくれていると思うと心強い。パワーをもらった」と話した。

 生まれた時から左腕にまひがあった阿部選手は、2010年のバンクーバー大会をテレビで見て競技スキーに興味を持ち、練習を始めた。しかし、翌年の震災で沿岸部にある故郷は津波にのまれ、自宅は跡形もなくなった。

 地元の高校に進学予定だったが、被災地の特例でスキー強豪校の盛岡南高に進むことになった。すると、競技スキーの練習に一層打ち込めるようになり、14年ソチ大会の切符をつかんで8位入賞も果たした。

 ソチ大会後、道の駅で働く父親の達也さんは、仮設住宅で暮らすお客さんから「友里香さんが頑張っているからもう一度やり直してみる」といった声をかけられるようになったといい、娘の頑張りが地元を元気づけていると感じてきた。

 「地元の皆さんに元気やパワーを与えられるような滑りをしたい」。開幕直前にそう決意を語っていた阿部選手。次は13日のバイアスロン女子10キロに挑む。

2018年3月11日09:15 Copyright © The Yomiuri Shimbun