逸品薫る異国の風…正倉院展(下)

 エキゾチックな雰囲気のガラス器「緑瑠璃十二曲長坏みどりるりのじゅうにきょくちょうはい」は、奈良・東大寺で752年に営まれた大仏開眼会の献納品とされ、細長い楕円だえん形で、縁や側面の曲線が優美だ。似た金属器が東欧や西アジアなど広い地域で出土しており、その影響を受け唐で作られたとみられる。

 濃い緑色のガラスの表面には、草花の文様や、うずくまるウサギの姿が刻まれている。海の色を思わせる器をどのように用いたのだろうか。

 金メッキを施した銅製の水差し「金銅水瓶こんどうのすいびょう」は、細長い頸部けいぶと鳥の頭の形をした注ぎ口が目を引く。ほかに類例のない異色の存在だ。全体を十数パーツに分け、びょうで接合するなど複雑な技法が、職人の自負を感じさせる。

 「漆槽箜篌うるしそうのくご」は、西アジアの古代アッシリアが起源とされるたて形ハープ。日本でも用いられたが、中世以降に姿を消した幻の楽器だ。破損しているものの、音を響かせる「槽」の部分などに鳥や草花が細やかに表現されている。明治時代に作られた模造も展示され、往時の姿を想像できる。

 「碧地金銀絵箱へきじきんぎんえのはこ」は、仏への献物に使われたとされる箱。表面を淡い青色に塗り、金銀はくを粉末状にしてにかわの液で練った「金銀泥」で花や鳥の文様を描くなど、豪華な装飾に魅せられる。

 

 

【主催】奈良国立博物館

【協賛】岩谷産業、NTT西日本、

 関西電気保安協会、キヤノン、

 京都美術工芸大学、近畿日本鉄道、

 JR東海、JR西日本、

 シオノギヘルスケア、ダイキン工業、

 大和ハウス工業、白鶴酒造、

 丸一鋼管、大和農園

【特別協力】読売新聞社

【協力】ミネルヴァ書房、読売テレビほか

 

 

【平日夕方ゆったり鑑賞】

 例年、週末や祝日の午前中は来館者が多い傾向にありますが、平日の夕方は比較的混雑が緩和されています。金~日曜と祝日は、昨年から閉館時間が午後8時に延長され、夕方以降でもゆっくりと鑑賞を楽しめるようになりました。