スピードスケート

高木美帆(たかぎ・みほ)

プロフィル

  • 声援にこたえる高木美帆(2017年11月11日、若杉和希撮影)
    声援にこたえる高木美帆(2017年11月11日、若杉和希撮影)

 1994年5月22日、北海道幕別町出身。兄姉の影響で5歳からスケートを始める。町立札内中時代に日本サッカー協会から強化指定選手に選ばれるほどサッカーも得意だったが、スケートの道を選んだ。
 短距離から中長距離までこなせる万能型。中学3年で五輪代表選考会の1500メートルを制し、2010年のバンクーバー五輪に出場した。1000メートルは35位、1500メートルは23位、日本が銀メダルを獲得した追い抜きは控えメンバーだった。2013年12月のソチ五輪は代表落選。2016年12月の全日本選手権で初の総合優勝。2017年2月の冬季アジア大会では3000メートルと1500メートルを制した。
 平昌(ピョンチャン)五輪シーズンの今季はワールドカップ(W杯)の1500メートルなど3種目で優勝を重ね、姉の菜那らと組んだ追い抜きでも11、12月に世界記録を更新する優勝と快進撃を演じている。2018年平昌五輪日本代表(1000、1500、3000メートル、マススタート、団体追い抜き)。日体大助手。1メートル64。

1000も五輪切符…平昌五輪代表選考会(2017年12月29日)

  • 女子1000メートルで2位となった高木美帆=武藤要撮影
    女子1000メートルで2位となった高木美帆=武藤要撮影

 スピードスケート・平昌(ピョンチャン)五輪代表選考会第2日(28日・長野市エムウェーブ)――女子1000メートルは、この種目の世界記録保持者で五輪代表に内定している小平奈緒(相沢病院)が1分14秒58の国内最高記録で優勝した。2位に入った高木美帆(日体大助手)と3位の郷亜里砂(イヨテツク)も五輪出場を確実にした。高木美は1500メートルと3000メートルでも代表に内定している。男子1000メートルは小田卓朗(開発計画研究所)が1分9秒24の国内最高記録で制した。

◆同組対決 小平に完敗

 個人種目で三つ目の五輪出場を確実にした。それでも、高木美は「負けて悔しい」。小平の横綱相撲に、ただ悔しさを募らせた。

 同じ最終組で、自分がイン、小平がアウトからスタート。その最初のカーブだった。「(小平が)思ったより近くにいるな」。小平の600メートルまでのスピードをもってすれば、第2カーブ出口で小平に前に出られることも頭にあった。しかし、想定より小平が遅い。「(交差のために)前に出なきゃ」。焦りが生まれた。前半に足を使いすぎて最後の伸びを欠き、小平と0秒21差。また完敗だった。

 この種目での2人の争いは熱い。今季ワールドカップ(W杯)で同組での直接対決は2度。いずれも敗れ、今月のソルトレークシティー大会では世界新を目の前でたたき出された。複数種目に挑戦する中でも、「1000メートルへの思いはさらに上がっている」と話していた。主戦場が異なるスプリント女王に、強い対抗心を燃やしていた。

 「自分が強くなった感覚になれていない。まずは小平さんに(追いつく)、という気持ちが強い」と高木美。敗戦を糧に、23歳はまだまだ強く、速くなれる。(上田真央)

日本新V 1500(2017年12月9日)

  • 日本新で女子1500メートルを制した高木美帆(2017年12月9日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影
    日本新で女子1500メートルを制した高木美帆(2017年12月9日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影

 米ユタ州ソルトレークシティーで9日に行われたスピードスケートのワールドカップ(W杯)第4戦の女子1500メートルは、高木美帆(日体大助手)が1分51秒49の日本新で、この種目開幕4連勝を飾った。

 高木美は第3戦カルガリー大会でマークした自身の記録を0秒30更新した。後半の粘りで2位以下を引き離したが、本人は700メートルまでにスピードを上げきれなかった点を反省しきり。最も得意とするこの種目で今季4戦4勝でW杯前半戦を終えたが、「次に何が始まるかは分からないという感覚で、自分がやれることに向き合いたい」とあくまで厳しかった。

追い抜き3度目の世界記録(2017年12月8日)

  • 世界新で優勝した(右から)高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃(2017年12月8日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影
    世界新で優勝した(右から)高木美帆、高木菜那、佐藤綾乃(2017年12月8日、米ソルトレークシティーで)=武藤要撮影

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)第4戦が8日、米ユタ州のソルトレークシティーで開幕し、女子団体追い抜きの日本は、高木美帆(日体大助手)、佐藤綾乃(高崎健康福祉大)、高木菜那(日本電産サンキョー)で臨み2分50秒87の世界新記録で優勝した。日本は3戦連続で世界新をマーク。第3戦から3秒01も短縮させ、昨季から続く連勝を6に伸ばした。

1500で今季3戦3勝目…日本新(2017年12月3日)

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)第3戦最終日が3日、カナダ・カルガリーで行われ、女子1500メートルで高木美帆(日体大助手)が従来の記録を2秒31縮める1分51秒79の日本新で優勝した。

W杯女子追い抜き、日本が世界新で開幕2連勝(2017年12月2日)

  • 女子団体追い抜きで世界新を更新し、金メダルを手に表彰式で笑顔を見せる(左から)菊池彩花、高木菜那、高木美帆=武藤要撮影
    女子団体追い抜きで世界新を更新し、金メダルを手に表彰式で笑顔を見せる(左から)菊池彩花、高木菜那、高木美帆=武藤要撮影

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)第3戦第2日が2日、カナダ・カルガリーで行われ、女子団体追い抜きに高木美帆(日体大助手)、菊池彩花(富士急)、高木菜那(日本電産サンキョー)で臨んだ日本は、2分53秒88の世界新記録で優勝した。11月のW杯(オランダ)でマークした世界記録を1秒89短縮した。

W杯3000で日本勢初V(2017年12月1日)

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)第3戦が1日、カナダのカルガリーで開幕し、女子3000メートルで高木美帆(日体大助手)が3分57秒09の日本新記録をマークし、同種目で日本勢初の優勝を飾った。従来の日本記録は2002年1月に田畑真紀(日本建物管財)が同じリンクで出した4分1秒01で、3秒92も更新した。

W杯1000で日本勢ワンツー・フィニッシュ(2017年11月12日)

 オランダ・ヘーレンフェインで行われたスピードスケートのワールドカップ(W杯)開幕戦は最終日の12日、女子1000メートルで小平奈緒(相沢病院)が1分13秒99で優勝し、この種目でのW杯初勝利を挙げた。0秒46差で高木美帆(日体大助手)が2位に入った。高木美は女子3000メートルで4分4秒91で4位。

小平がV 高め合って

  • 女子1000メートルで準優勝した高木美帆(左)と優勝した小平奈緒(中央)=2017年11月12日、若杉和希撮影
    女子1000メートルで準優勝した高木美帆(左)と優勝した小平奈緒(中央)=2017年11月12日、若杉和希撮影

 W杯初戦でこの光景が見られるとは。表彰台の中央に小平、隣に高木美。短距離と中長距離、日本が誇る2人のエースが1000メートルで世界のトップ2を占めた。

 2組目の小平。日本最速スプリンターらしく、600メートルをトップ通過し、低地リンクで自身初の1分13秒台に乗せた。最終組の高木美は「あのタイムをたたき出されて、いい刺激を受けて滑れた」。後半に強い自身の滑りで2位につけた。

 1000メートルは短距離を得意とする選手と、オールラウンダーの中でもスピードがある選手が同じ舞台で競う。高木美も「最初が速いだけでも、最後が強いだけでもダメ。面白さがある」と魅力を表現する。その舞台で、絶対的な強みを持つ両エースがハイレベルで互いを高め合っている。

 小平が「多くのレースをこなす中で自己ベストを出してきている、さすが」と8歳下をたたえれば、高木美は「奈緒さんは刺激を受けることができる存在」。五輪シーズン最初のW杯で見えたのは、この2人が世界の台風の目になるということだ。(ヘーレンフェイン 上田真央)

圧倒V W杯女子1500(2017年11月11日)

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)開幕戦第2日は11日、オランダのヘーレンフェインで行われ、女子1500メートルで高木美帆(日体大助手)が1分54秒68で優勝した。同種目での優勝は昨年12月以来で、通算2勝目。

強敵ブストに大差

  • 女子1500メートルを制した高木美帆(2017年11月11日、オランダ・ヘーレンフェインで)=若杉和希撮影
    女子1500メートルを制した高木美帆(2017年11月11日、オランダ・ヘーレンフェインで)=若杉和希撮影

 ゴール後に天井に向けて突き上げるガッツポーズはこれで何度目だろう。女子1500メートルで高木美は、今度は低地リンクでの自己ベストを更新。勢いはとどまるところを知らない。

 中長距離の実力者、イレイン・ブスト(オランダ)とは、今年3月の世界選手権でも同走。その時はリードしながら最後の1周で抜き去られた。「同じことはしたくなかった」と高木美はもう一度気持ちを入れ直して、最後の1周も懸命に足を動かした。

 この種目でのW杯初勝利を挙げた昨季のアスタナ大会は、ブストが欠場する中での結果だった。今回はオールラウンダーの中では絶対的な存在のブスト(4位)に2秒15の大差をつけての圧勝で、その価値は計り知れない。それでも、「本当に1番をとったと思えるのは、みんながそこに懸けて挑んだレースだけ」。勝利よりも、理想のレースができたことだけを喜んだ。

 1992年アルベールビル五輪銅メダルの橋本聖子以来の1500メートルでのメダリスト誕生へ、期待は高まるばかり。だが、そんな雑音は聞き入れない。「変なおごり、過信はしないように、やっていきたい」と表情を引き締めた。(ヘーレンフェイン 上田真央)

女子追い抜き 世界新V W杯(2017年11月11日)

 スピードスケートのワールドカップ(W杯)が10日、オランダのヘーレンフェインで開幕し、女子団体追い抜きで高木美帆(日体大助手)、佐藤綾乃(高崎健康福祉大)、高木菜那(日本電産サンキョー)で臨んだ日本は、2分55秒77の世界新記録で優勝した。従来の記録は2009年にカナダが出した2分55秒79で、日本は0秒02更新した。

最速3人娘、想定外の「すごい記録」

  • 世界記録で優勝し、表彰台で声援にこたえる(左から)高木美帆、佐藤綾乃、高木菜那の3選手(2017年11月10日、オランダ・ヘーレンフェインで)=若杉和希撮影
    世界記録で優勝し、表彰台で声援にこたえる(左から)高木美帆、佐藤綾乃、高木菜那の3選手(2017年11月10日、オランダ・ヘーレンフェインで)=若杉和希撮影

 日本は、カナダが2009年に高速リンクでマークした従来の記録を0秒02上回る2分55秒77の世界新記録で優勝。高木美は「すごい記録ですね」と快挙をかみ締めた。カナダが高速リンクでマークした世界記録を上回ることまで想定していなかった。

 先頭の交代回数を1回減らす作戦で臨んだ日本。高木美が3人で最も長い計3周を先頭で引っ張る計算だ。23歳のエースは、スタートから先頭でスピードに乗せてリズムを作り、最終盤に再び前に出て、減速を防ぐ役割を果たした。

 このリンクで昨年12月に行われたW杯では、同じ顔ぶれで2分59秒51だった。約1年間でタイムを3秒74も短縮した。膝のけがで本調子ではない高木菜は「自分が強くなれば、まだまだタイムは出る」と言う。平昌五輪の金メダルも現実味を帯びてきた。

冬季アジア札幌大会で活躍(2017年2月)

  • 女子3000メートルで優勝し、観客の声援に応える高木美帆選手(2017年2月20日午後、北海道帯広市で)=武藤要撮影
    女子3000メートルで優勝し、観客の声援に応える高木美帆選手(2017年2月20日午後、北海道帯広市で)=武藤要撮影

 大会2日目の2月20日、3000メートルで4分5秒75の国内最高記録で金メダル。これに先立つ1000メートルでは小平奈緒に続いて2位だった。

 出場種目全てでの金メダルが目標だったが、すぐに気持ちを切り替え、「3000では絶対に金メダル、という気持ちを持てた」という。

 大会3日目の21日にも1500メートルで金メダル。5日目の2月23日は、女子マススタートで金メダルを獲得した。

ソチ五輪出場ならず(2013年12月30日)

  • スピードスケートのソチオリンピック日本代表選考会。代表に決まった姉の高木菜那と、落選した美帆(2013年12月撮影)
    スピードスケートのソチオリンピック日本代表選考会。代表に決まった姉の高木菜那と、落選した美帆(2013年12月撮影)

 長野市で開かれているスピードスケートのソチ五輪代表選考会は最終日の29日、男女の1000メートルと女子5000メートルが行われた。日本スケート連盟がレース後に発表した代表選手17人のうち、道内関係選手は12人を占めた。バンクーバー五輪に出場した高木美帆選手(19)(日体大)は代表入りを逃し、姉の菜那選手(21)(日本電産サンキョー)は女子1500メートルと女子団体追い抜きで初めて代表入りした。

 美帆選手が出場権を逃した。前回バンクーバー五輪は、中学生で1000メートル、1500メートルに出場したが、今大会は1000~3000メートルですべて5位に終わり、「負けを認めざるを得ない」と潔かった。今年から大学生になり、指導者も代わるなど環境の変化があった。「昨年までは監督などに頼っていた。身についているモノがもろかった」。それでも次の五輪に向け「上位を狙っていけるところまで4年をかけて行きたい」と話した。

バンクーバー五輪「次はやってやろう」(2010年2月28日)

  • メンバーから外れた高木美帆が、先輩から銀メダルをかけてもらい、はにかむ(2010年2月27日、バンクーバーで)=尾賀聡撮影
    メンバーから外れた高木美帆が、先輩から銀メダルをかけてもらい、はにかむ(2010年2月27日、バンクーバーで)=尾賀聡撮影

 日本代表の中で最年少の「スーパー中学生」、スピードスケート女子代表の高木美帆選手(15)の五輪が終わった。閉会式のセレモニーを心ゆくまで楽しんだ。メダルは遠かったが、次の五輪に向けてアスリートとしての「自覚」が芽生えた17日間だったようだ。

 「ダイエットしながらトレーニングしてます」。期間中は岡崎朋美選手(38)らの自己管理に驚き、食事について北海道の同級生らに多くのメールを出した。

 世界の強豪がしのぎを削る五輪の氷上は、国内の大会とは少し勝手が違った。初レースの1000メートルでは、スタート直前に笑みをこぼした。だが、この時は心に余裕があったわけではなく、「緊張でニコッとなっただけ」。結果は最下位で、友人たちへのメールには「情けなかった」「悔いが残った」とつづられていた。

 続く1500メートルは23位。女子団体追い抜きでは出番がなかった。銀メダルを授与される先輩たちを遠くから眺めていた時、「次はやってやろう」と思ったという。報道陣に囲まれても臆せず、力強く言い切った。4年後のソチ五輪では19歳。夢舞台に向けて、決意を新たにした。

フォトギャラリー

  • 夏の高校野球・北北海道大会の始球式に登場した高木美帆(2012年7月撮影)
    夏の高校野球・北北海道大会の始球式に登場した高木美帆(2012年7月撮影)
  • 日体大横浜・健志台キャンパスで本紙のインタビューに答える高木美帆(2013年9月撮影)
    日体大横浜・健志台キャンパスで本紙のインタビューに答える高木美帆(2013年9月撮影)
  • 全日本選手権で初の総合優勝を果たした(2016年12月撮影)
    全日本選手権で初の総合優勝を果たした(2016年12月撮影)