スキージャンプ

伊藤有希(いとう・ゆうき)

  • 表彰式の後にガッツポーズを取る伊藤有希選手(2017年2月24日、フィンランドで。上甲鉄撮影) 
    表彰式の後にガッツポーズを取る伊藤有希選手(2017年2月24日、フィンランドで。上甲鉄撮影) 

<プロフィル> 1994年5月10日、北海道下川町生まれ。スキー選手を両親に持つ。2歳になる前からスキー板を履き、4歳の時には地元のジャンプ台で飛んでいた。小学時代から「天才少女」と呼ばれ、下川商業高校を卒業後、土屋ホームに入社して憧れの葛西紀明・選手兼監督の指導を受ける。2014年ソチ五輪で7位。日本の女子ジャンプ界を引っ張ってきた高梨沙羅との2枚看板で、平昌(ピョンチャン)五輪の頂点を目指す。土屋ホーム。1メートル61。

<主な成績>
2013年ノルディック世界選手権・混合団体優勝
2014年ソチオリンピックで7位入賞
2015年ノルディック世界選手権・個人2位
2016-17年ワールドカップ(W杯)個人総合2位(5勝)
2017年ノルディック世界選手権・個人2位

今季3度目の5位 ジャンプW杯(2017年12月17日)

 17日にドイツ・ヒンターツァルテンで行われたノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子個人第4戦(HS108メートル、K点95メートル)で、高梨沙羅(クラレ)は248・8点で3位だった。日本勢は伊藤有希(土屋ホーム)が5位で、岩渕香里(北野建設)は9位、勢藤優花(北海道ハイテクAC)は20位。

伊藤「歯が立たない」

 今季3度目の5位だった伊藤は「これが今の自分の実力。全然歯が立たない」と、潔く完敗を認めた。氷の助走路への対応の遅れが響いた形だが、「助走の感覚はよくなってきた」と手応えをつかみつつある。19日に帰国後、年末年始は北海道内で調整する。「日本で踏み切りと空中の精度を上げていきたい」と話した。

女子ジャンプ団体 初V(2017年12月16日)

  • 優勝が決まり、ハイタッチで喜ぶ(右から)岩渕香里、高梨沙羅、伊藤有希、勢藤優花(2017年12月16日、ドイツ・ヒンターツァルテンで)=上甲鉄撮影
    優勝が決まり、ハイタッチで喜ぶ(右から)岩渕香里、高梨沙羅、伊藤有希、勢藤優花(2017年12月16日、ドイツ・ヒンターツァルテンで)=上甲鉄撮影

 ノルディックスキーのワールドカップ(W杯)ジャンプ女子は16日、ドイツのヒンターツァルテンで、女子では初開催となる非五輪種目の団体の第1戦(HS108メートル、K点95メートル)が行われ、伊藤有希(土屋ホーム)、岩渕香里(北野建設)、勢藤優花(北海道ハイテクAC)、高梨沙羅(クラレ)の順で飛んだ日本は、合計956点で優勝した。

師匠がカツ 伊藤も優勝(2017年11月6日)

  • 優勝した伊藤の1回目のジャンプ(2017年11月5日、札幌市の大倉山で)=上甲鉄撮影
    優勝した伊藤の1回目のジャンプ(2017年11月5日、札幌市の大倉山で)=上甲鉄撮影

 スキージャンプ・NHK杯(5日・札幌市大倉山ジャンプ競技場=HS134メートル、K点120メートル)――全日本選手権ラージヒル(LH)を兼ねて行われた男子は、1回目に2位につけた葛西紀明(土屋ホーム)が2回目に最長不倒の134メートルをマーク、合計276・1点で優勝した。1回目首位の小林潤志郎(雪印メグミルク)が2位に入った。女子は伊藤有希(土屋ホーム)が2回目に最長不倒の133メートルを飛び、合計256・8点で初優勝。高梨沙羅(クラレ)は2位だった。

テレマーク姿勢きっちり

  • 師匠の葛西紀明(右)と並んでガッツポーズ(2017年11月5日、上甲鉄撮影)
    師匠の葛西紀明(右)と並んでガッツポーズ(2017年11月5日、上甲鉄撮影)

 ここ2試合、高梨に優勝を譲っていた伊藤が、ライバルに一矢報いる1勝を挙げた。圧巻はヒルサイズ手前の133メートルまで飛んだ2回目。前日の伊藤杯では課題が残ったテレマーク姿勢も決め、飛型点で全体トップの55点をマークした。

 この日はアベック優勝も果たしたチームの監督の葛西からは「(テレマークを)入れろよ」とカツを入れられたといい、「アドバイスのお陰です」と恐縮していた。

伊藤、高梨に競り勝つ(2017年9月4日)

 スキー・妙高サマージャンプ大会(3日・新潟妙高高原赤倉シャンツェ=HS100メートル、K点90メートル)――女子は伊藤有希(土屋ホーム)が95メートルと102メートル50を飛び、合計256・5点で優勝した。2回目に最長不倒の103メートル50を飛んだ高梨沙羅(クラレ)が5点差の2位。3位は勢藤(せとう)優花(北海道ハイテクAC)。

高め合う二枚看板

  • 優勝した伊藤(中央)と、準優勝の高梨沙羅(左)、3位の勢藤優花=2017年9月3日、若杉和希撮影)
    優勝した伊藤(中央)と、準優勝の高梨沙羅(左)、3位の勢藤優花=2017年9月3日、若杉和希撮影)

 日本女子の二枚看板のこの夏最後の直接対決は、伊藤が競り勝ち、高梨とのサマーシーズンの対戦成績を3勝1分け3敗(高梨の失格除く)の五分に戻した。

 ハイレベルな戦いで会場が沸いたのは2回目だ。1回目2位の高梨が先に飛び、103メートル50のヒルサイズ超えジャンプで首位の伊藤に重圧を掛けた。ところが伊藤も負けじと102メートル50。見事に逃げ切りに成功した。

 伊藤は「助走スピードも出て、滑った感じも良かった」と珍しく自賛。課題だった助走時の重心の位置取りでも勘所をつかみつつある。高梨も「収穫は2回目のテレマークが出せたこと」と、転倒の危険も増す大ジャンプでも臆せずに足を踏み出せたことを喜んだ。

 これで夏の対決は一区切り。鍛錬の秋を越え、冬に花を咲かせるのは、果たしてどちらか。(増田剛士)

ノルディック世界選手権 ジャンプ女子 伊藤 納得の「銀」(2017年2月24日)

 ノルディックスキーの世界選手権第3日は24日、フィンランドのラハティでジャンプ女子個人ノーマルヒル(HS100メートル、K点90メートル)が行われ、伊藤有希(土屋ホーム)が1回目に97メートル、2回目に96メートル50を飛び、合計252・6点で2大会連続2度目の銀メダルに輝いた。高梨沙羅(クラレ)も合計251・1点で銅メダルを獲得し、日本女子として初めて2人同時に表彰台に立ったが、初の金メダルはならなかった。ソチ五輪金メダリストのカリナ・フォクト(独)が史上初の連覇を果たした。

下半身強化し安定

  • ノルディックスキー世界選手権で2位に入った伊藤有希選手(2017年2月24日、フィンランドで。上甲鉄撮影)
    ノルディックスキー世界選手権で2位に入った伊藤有希選手(2017年2月24日、フィンランドで。上甲鉄撮影)

 前回2015年大会に続く銀。しかし、同じ色のメダルでも、2年前との重みの違いを伊藤は感じていた。「この試合を目指してやってきて、納得がいくジャンプが2本出来たのは、すごくうれしい」。笑顔に充実感がにじんだ。

 1回目に97メートルを飛んで4位につけ、臨んだ勝負の2回目。飛距離が出過ぎる危険を避けるため、ゲートが1段下がっても、96メートル50を飛び、3人を残して首位に立った。続くフォクトに上回られたが、高梨とルンビー(ノルウェー)が相次いで失敗し、逆転で銀メダルをつかんだ。

 今季はワールドカップ(W杯)で初勝利を含む4勝を挙げ、飛躍の年になった。昨季はW杯で2回目に進めない試合もあるなど、安定感に欠けていたが、夏場からスクワットなどで下半身を鍛え、パワーと疲れにくい体を手に入れた。シーズン終盤でも崩れることなく結果が残せているから、自信も深まり、更に結果につながるという好循環が生まれている。

 次なる目標は当然、平昌五輪での金メダルだ。「目標は4年前から明確。まだ1年あるので準備していきたい」。7位に終わったソチの雪辱を果たす舞台へ視線は既に向かっている。(ラハティ 増田剛士)

ソチ五輪 7位入賞(2014年2月11日)

 新種目の女子個人ノーマルヒルで、メダル候補だった高梨沙羅(クラレ)は4位、伊藤有希(土屋ホーム)は7位でともに入賞。山田優梨菜(長野・白馬高)は最下位の30位だった。カリナ・フォクト(独)が優勝した。

フォトギャラリー

  • 優勝カップを手に笑顔を見せる伊藤有希選手(2014年1月5日、札幌市・宮の森ジャンプ競技場で。鈴木毅彦撮影)
    優勝カップを手に笑顔を見せる伊藤有希選手(2014年1月5日、札幌市・宮の森ジャンプ競技場で。鈴木毅彦撮影)
  • 札幌市長杯大倉山サマージャンプ大会で同点優勝し、笑顔を見せる伊藤有希選手(右)と高梨沙羅選手(2017年8月5日、札幌市中央区で)
    札幌市長杯大倉山サマージャンプ大会で同点優勝し、笑顔を見せる伊藤有希選手(右)と高梨沙羅選手(2017年8月5日、札幌市中央区で)